Boxing
2014年7月7日(月) 東京 後楽園ホール
WBAスーパーフライ級タイトルマッチ 10回戦
王者 藤岡奈穂子 ふじおかなおこ(竹原&畑山)
VS
挑戦者 川西友子 かわにしともこ(大阪帝拳)
WBAスーパーフライ級チャンピオン藤岡奈穂子選手の初防衛戦の相手はOPBF同級チャンピオンの川西友子選手。世界王者に東洋王者が挑む一戦です。
両者とも一撃で相手を沈めることが出来るハードヒッターですが、ご覧のように同じ階級とは思えないほどの身長とリーチの差。というのも藤岡選手はもともとはミニフライ級の世界王者でしたが、強い相手を求めてそこから一気に3階級も上げてこの階級に転級、そして、世界チャンプになってしまった規格外の選手だからです。
この強敵に川西選手は警戒をおこたらず常にしっかりとガードを固めながら相手を見ます。
そして出てくる相手に鋭い左ストレートや右アッパーを合わせる得意の戦法を展開。川西選手はこのパンチをここぞというときに炸裂させ、東洋王者にまでのし上がって来ました。
体格ではハンディのある藤岡選手はスピードが命。川西選手とは対照的にほとんどガードを用いない機動性メインのディフェンスワーク。常にからだを動かし、高速ムーブで相手の空振りを誘います。
もともと見て打つタイプの川西選手は、空振りのあとにはさらにしっかり見ようとしてしまい、その機を逃さず打ち込んで来る藤岡選手の攻撃を受けてしまいます。
川西選手も打ち返しますが、藤岡選手の動きが速いためジャストミートとはなりません。
川西選手が散発的なのに対し、藤岡選手は連発が基本。一発めをはずされても二発、三発、四発と続ける中で距離を修正してヒットを奪っていきます。中盤以降はあきらかに藤岡選手のペースですが、川西選手はパンチ力があるので油断は出来ません。
しかし、川西選手に起死回生の機は訪れず、後半になると一方的に打たれる場面も出てきます。8回の終盤にはロープぎわに押し込まれて危機的状態。
川西選手は必死に両手で藤岡選手を押し倒し、藤岡選手はキャンバスのうえを背中から後方に一回転。直後に「スリップ」というアナウンスが流れ、レフリーからはなんの注意も警告もないままに試合続行。
しかし、こんなピンチに相手を押し倒してしのいでももいいならボクシングは成り立ちません。ここはプッシングの反則を見逃すべきではなかったですね。納得出来ないレフリングです。
そんなわけで決定機を阻止された藤岡選手ですが、圧倒的な手数、積極性で流れは完全に掌握。
9回ぐらいには左手をただ伸ばしたままにして相手の接近に抵抗する悪いクセが出てしまったのが残念。
川西選手には痛い敗戦ではありますが、世界レベルの強豪との対戦はいい経験値となったはずです。
WBAスーパーフライ級タイトルマッチ 10回戦
○ 王者 藤岡奈穂子 ふじおかなおこ(竹原&畑山)
判定3-0
× 挑戦者 川西友子 かわにしともこ(大阪帝拳)
藤岡奈穂子選手が判定勝利で同王座の初防衛に成功。
藤岡選手はWBCミニフライ級王座(現在は返上)を二度防衛しており、二階級の通算ではこれが三度目の世界王座防衛。
海外の大きい会場で戦うのが夢という藤岡選手。どうかその夢を実現してほしいと思います。プロ転向以来12戦全勝、KO率5割という実力を世界の舞台で見せつけてください。ガンバレ!
WBAスーパーフライ級チャンピオン
藤岡奈穂子 ふじおかなおこ(竹原&畑山)12戦12勝6KO
OPBFスーパーフライ級 チャンピオン
川西友子 かわにしともこ(大阪帝拳)11戦9勝2敗4KO
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