Muay Thai
QRでは『クイーンズカップ』について過去に何度か簡単な説明をしましたが、最近ひどく誤解をうみそうな記事がYahoo!ヘッドラインにのってしまったようなので、ここでもう一度おさらいをしたいと思います。
まず、クイーンというのはタイの王妃さまのことであり、女子ムエタイ選手のナンバーワンという意味ではありません。
国民と王室との関係が非常に良好なタイでは王族のひとたちの誕生日はとても大切な日であり、それをお祝いするムエタイの大会として『キングスカップ』や『プリンスカップ』『クイーンズカップ』があるのです。
ですから、『キングスカップ』や『プリンスカップ』の日とおなじく、『クイーンズカップ』でも男子のムエタイの試合もあれば女子の試合もおこなわれます。決して「女子ムエタイの祭典」ではないのです。
この日は要するに「お祭り」であり、公式なタイトルマッチを別にすれば特に『クイーンズカップ』の試合の権威が高いわけでもありません。ただ、ふだんは見られないような思い切ったマッチメークがあるのでファンには楽しみな大会となっています。
また、『クイーンズカップ』は王妃さまの誕生日の8月12日近辺にタイ全土のあちこちで開かれる大会がそれぞれに名乗っている名称であり、特定のひとつの大会ではないのです。
たとえば伊藤紗弥選手が出場した12日の『ワンソンチャイ・クイーンズカップ』の同じ時刻に、同じ王宮前広場で、もうひとつの大会がありました。上の写真がそうです。
これは『ムエイン・アソシエーション』という女子ムエタイの団体が主催した大会で、女子の試合だけを12試合おこないました。先日、シュートボクシングのGirl’s S-cupで活躍したティーチャー選手も出場するなど充実したカードだったようです。
ワンソンチャイ・クイーンズカップが天井もない質素な小さいリングで、照明も少なかったのに比べて、こちらはリングも花道も大きく、照明も明るく、お客さんもたくさんいて、一番豪華な大会でした。
しかし、ことしのクイーンズカップで一番権威のある試合は、8日におこなわれたサイファー・ソー・スパーラット選手とファリダ・オキコ選手のタイトルマッチでしょう。なにしろ世界王者同士のタイトル戦でしたから。
長くなりましたが、『クイーンズカップ』というのはムエタイのお祭りであり、そのなかの『ワンソンチャイ・クイーンズカップ』は女子専門の大会ではないし、最大の大会でもないし、最高の権威でもないということです。
いつもの結論ですが、試合の価値とは強いもの同士が戦うこと、ですね。
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コメント
いつも的確なコメント有り難うございます。
>サーファーさん
ご愛読ありがとうございます。更新の励みになります。
実はご存知のとうりずいぶん前から観させて頂いています。どこより信頼できる情報嬉しいです。自分は先月もパタヤからプーケットのカタビーチに行ってでサーフィンしてバングラスタジアムやパトンスタジアムでムエタイの観戦をしています。もちろんルンピニーも行きます。今年は1,3.5.7月とムエタイ観戦なので日本のジャッジより試合を観ています。なので
QRさんのコメントは素晴らしいです。
これからもただしい情報よろしくお願いします。
ああ、サーフィンとムエタイ観戦うらやましいです。タイはご飯もおいしいし、海もきれいだしいいところですよね。これからもよろしくお願いします。