観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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お休みの日に見る『あんまり売れなかったけど面白い映画』特集 三本立て一挙ご紹介

 本日は、お休みの日に見る『あんまり売れなかったけど面白い映画』をご紹介しましょう。いずれも数年前の公開作品ですが、未見でしたら是非どうぞ。

 まず、最初は『ローラーガールズ・ダイアリー』。簡単に言うとスポーツ青春もの。あまり大規模な公開ではなかったので、素通りしたひともいるでしょう。

 アメリカの田舎町に住む女子高生は、母親の言うとおりに生きようとする良い子でしたが、ある日、町で見かけたローラーゲームの女子選手たちに興味を持って観戦に出かけたことから人生が一変、自分がローラーガールになってしまうというお話です。

 ローラーゲームというのはかつて大ブームを巻き起こしたエンタメスポーツで、2チームのスケーターがぐるぐる周回しているリンクを、それぞれの代表選手が相手選手を抜くことによって得点が入るルールです。

 しかし、単にスケートをするのではなく、代表選手(ジャマーと呼ばれます)は相手の集団を押しのけ、こじ開けてリンクを滑りますし、相手は抜かれたくないので相手を自分の体で妨害し、突き飛ばして転倒させようとします。

 そんなスポーツですから殴ったり蹴っ飛ばしたりの反則技が出ることも日常茶飯事で、見た印象は『滑るプロレス』。

 ラフでワイルドでロックンロールな世界なので、当然、選手たちも姐御(アネゴ)ふうの大先輩がゴロゴロ。当ブログのお気に入りのゾーイ・ベル姐さんも登場。

 と言っても、ワイルドなのはごく一部で、アクション作品ではありません。

 地味でおとなしかった女子高生の青春デビューが、ガールズトークふうに軽やかに語られる、女性監督ならではのめったにない良作。いいですよ。

 2本目は『イングロリアス・バスターズ』。なんだ、全然メジャー作品じゃないかと言われそうですね。たしかに日本でもヒットはしました。

 しかし、全世界的にはもの凄い超ヒットで、それに比べると日本では興行的にも文化的インパクトとしてもショボイ戦果だったと思います。

 簡単に言うとこれは戦争映画で、それも正規戦ではない所での反ナチの戦いを描いていますが、マジメくさったものではなく、有り得ないほど荒唐無稽だったり、ヤリ過ぎていたりのタランティーノ調。

 これを日本では単に「ふざけてる」「悪趣味」「バカ映画」と受け取った人が多かったようで残念です。

 『イングロリアス・バスターズ』はただのおふざけじゃありません。いろんな見方が出来ますが、それを説明すると上映時間の何倍にもなってしまうでしょうから、見てもらうのが一番です。

 QRが心に残ったのは、「ナチの印を刻む」ことです。

 ある種の人間は自分の本性や正体を隠して、いろんなところに潜り込むことが出来ます。そして、世間を騙し、人を欺きながら豊かな富みや権力を手に入れます。そして誰かがその犠牲になります。

 第二次大戦後、それが世界中で起きました。ナチ親衛隊や秘密警察ゲシュタポのメンバーの多くがアメリカに渡ってCIAや、軍、政府機関に入ったことは当時は隠されていましたが、いまでは明らかになっています。

 70年代の国連のトップだったワルトハイム事務総長は、オーストリアの大統領までつとめましたが、実はナチス突撃隊の将校でした。

 この映画の中で「印」を刻む行為は、「こうでもしなければ人はまた騙される」という叫びです。

 これは、よその国の話だけではありません。世界中どこでも同じです。わたしたちがなかなか本当の幸せにたどり着けないのは、正体と本音を隠して世の中を乗っ取っている人間が上のほうに予想以上にたくさんいるからでしょう。

 世の中はお題目どおりではありません。建て前と本音は「違う」のではなくて「正反対」かもしれません。

 最後は『トゥルーグリット』。これは日本公開が東日本大震災の直後で、ほとんどの人が映画どころではない時期だったために人々の記憶に残っていない作品。QRもずいぶんあとにDVDで見ました。

 強力にお薦めします。

 簡単に言うと、西部劇時代の復讐劇。主人公はお父さんを殺された14才の少女。

 「絶対にかたきを討つ」と心に誓いますが・・・ふつうの女の子が悪党と戦えるわけがありません。そこで腕のたつ男を雇おうとしますが、大金持ちでもない彼女がどうにか雇えたのは飲んだくれで初老の保安官。

 これもいろんな見方が出来る作品ですが、いつ依頼を放棄して帰ってしまうかもしれない保安官を、困難な仕事につなぎ止めようとする少女の「強さ」は多くのことを教えてくれます。

 何人かの魅力あるキャラクターが登場しますが、トゥルーグリット(真の勇者)とは誰だったのでしょうか?

 見てください。

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コメント

  1. 猫目石 より:

    良心。

    そこに
    狂気をはらんでいようとも
    人が生きるために
    必須。
    なのかな、と。

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