2015年11月14日(土) オーストラリア メルボルン
UFC193
UFC女子バンタム級タイトルマッチ 5分5R
×王者 ロンダ・ラウジー(アメリカ)
KO 第2ラウンド 0分59秒
○挑戦者 ホリー・ホルム(アメリカ)
ホリー・ホルム選手がKO勝利で新王者に。ロンダ・ラウジー選手は同王座の7度目の防衛に失敗。
UFC女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○王者 ヨアンナ・イェドジェイチク(ポーランド)
判定 3-0
×挑戦者 ヴァレリー・ルトノー(カナダ)
ヨアンナ・イェドジェイチク選手が同王座の2度目の防衛に成功。
元ボクシング世界王者のホリー・ホルム選手がUFC(総合格闘技)のタイトルマッチで不動の王者と思われていたロンダ・ラウジー選手にKOで勝利し、新チャンピオンとなりました。
2013年のホルム選手のボクシング引退は本当に残念でしたが、こういう形でボクシングからの転向が大成功となったことは、ファンとして本当に嬉しく思います。ボクシング時代はその実力、実績、スター性に比べて、あまりにも彼女の知名度は低すぎましたが、今度こそ彼女は自分自身にふさわしいステータスを手に入れることでしょう。本当におめでとうと言いたいです。
ホルム選手にはボクシング時代から大きなドラマがありますが、その中でも多くのファンにとって忘れられないのは、大事なタイトルマッチでの失神KO負けと、そこからカムバックして宿敵アン・ソフィー・マティス選手へのリベンジを果たしたことだと思います。
いままでホルム選手を知らなかった人には、今回の鮮やかな勝利のまえには、絶望的な敗戦とその克服という苦しい時期があったことを知ってもらえたらうれしいです。
また、日本の総合業界では谷川さんの迷解説のおかげで、パンチのことを「ボクシング技術」と呼ぶことが多いようですが、ボクシングのパンチはそのままでは総合では使えませんから、総合で戦っている人はたとえ元ボクサーでもボクシング時代とは違うパンチを打っているはずです。
それよりも、ホルム選手が今回の試合で見せた抜群のフットワークこそ、彼女をボクシング時代から支えている大きな武器なのです。彼女のフットワークは彼女独特のもので、あまりスタンダードなものではないかもしれませんが、それでもあのフットワークと距離の取り方が実に効果的であることは誰の目にも明らかでしょう。
日本では、フットワークのことを軽く見たり、アウトボクシングを「逃げるような戦い方」などと軽蔑する人がいまだに多くいるのが現状ですが、逃げようがなんだろうが効果的な攻撃をヒットさせたほうがリングでは勝者であるのです。
そのことをしっかり頭に刻んでおかないと今後どんなリングでも日本の格闘技選手は苦戦するでしょう。前進することに価値があった時代はもうずいぶん前に終わっているんです。 喧嘩じゃないんですから、格闘技では打たれないで打つほうがドツキ合いの何倍も価値があるのです。
関連記事 女子ボクシング ホリー・ホルム選手を止めるのは誰か?
関連記事 ホリー・ホルム vs アン・ソフィー・マティス ダイジェスト動画 ボクシング女子
関連記事 総合で連勝中のボクシング最強王者ホリー・ホルム 総合格闘技3戦めの結果 ベラトール91 ホリー・ホルム vs ケイティー・メリル ボクシング女子
関連記事 女子P4P最強ボクサー ホリー・ホルム ラストマッチ ホリー・ホルム vs メアリー・ミギー IBA/WBFed.ライトウェルター級タイトルマッチ 結果&動画 ボクシング女子
コメント
2R開始22秒、ラウジー選手の左フックを、かいくぐるようなダッキングでかわす、ホルム選手は、あっぱれ!というしかないです。「フットワークが武器」を見事に体現した瞬間だと思います。