Boxing
WBCの会長さんが「今年はWBC女子ボクシングワールドカップを開く」と発言してごく一部で話題になっているようですが、ほとんどの人は本気にしていません。
なぜかと言えば、ボクシングをはじめ、キック、ムエタイなどの立ち技格闘技で「世界のチャンピオンを戦わせて誰が最強か決める」みたいな企画は過去に何度もありましたが、多くは企画倒れか、長い会期の維持が出来ずに途中終了になっているからです。
チャンピオンはそれぞれ試合の予定を持っています。ベルトの防衛期限や、各国でイベントを開くのに適したタイミングというものがありますので、この試合予定はむやみに変更出来るものではありません。
だから、何ヶ月かかるか分からないような、大規模なトーナメント戦にはチャンピオンクラスはまず出れないわけです。まず、それがネックです。
次に、WBCに特に権威を感じているのは地元のメキシコと日本ぐらいで、ほかの国の選手にとっては「多くあるうちのひとつの団体」程度の認識しかないことです。だから、この企画に是非出たいと思う選手が何人いるのか疑問。
また、この競技の特性上、偶然のバッティングや有効打で負傷者が複数出るのは避けられず、勝っても途中リタイアになる選手がいるとトーナメント戦の意味が消失してしまいます。
そして、これが実はいちばんの問題なんですが、各国の格闘技事情によってそれぞれの選手がもらうファイトマネーの差が大きく、それを払えるプロモーターがどこにいるのかという話になります。
チャンピオンクラスの選手にも数万円しか払えない国もあれば、数百万円払っている国もあるのが現実で、その差は100倍以上です。
具体的には、アリシア・アシュレイ選手は世界トップクラスの選手ですが、アメリカ国内では30万円(3000ドル)のファイトマネーで戦っています。
そのアシュレイ選手がアウェイのメキシコの試合に呼ばれたときは300万円もらえたそうです。もちろん、ホームのメキシコのチャンピオンはその数倍はもらっているわけです。
これだけ国と国でのマネー格差があると、30万円しか出ないアメリカの大会にメキシコのチャンプが出るわけがありません。ドイツやアルゼンチンの選手も出ないでしょう。
日本も現状ではタイ人しか呼べないわけですから、数百万、あるいは1千万を越える外人選手を呼ぶ大会は開きたくても開けません。
現在のところ20人近くのフライ級周辺のスター選手がリストアップされていますが、その半分でも集める資金力はメキシコにもないでしょう。
現実的には、最大限うまくいっても、メキシコで4人ぐらいでミニトーナメントをやるのが精一杯。もちろん、それでもすごいことですけどね。
というわけで、8人とか16人の大会は無理だと思いますし、メンバーの中にスージー・ケンティキアン選手とジェシカ・ボップ選手が揃う、ようなことはないでしょう。あれば奇跡です。奇跡が起こってほしいですけれども。
コメント
発表を見て期待していたので残念です
アメリカで女子ボクシングが盛り上がれば
こういった企画が実現しやすくなると思います
>ayamoさん
そうですね。アメリカでまた盛り上がってくれればいいんですけどね。
クリスティ・マーティン選手やレイラ・アリ選手のころは、ファイトマネーも1000万円とか2000万円とか景気が良かったのですが、2008年ぐらいにはチャンプクラスでも100万円ぐらいに落ち込み、ここ数年で数十万円がやっとというまでになってしまいました。
人気商売のむずかしさですね・・・。
ボクマガに詳細が載ってました なんでも藤岡の WBC総会での F級への挑戦直訴が発端らしいです
WBO王者が出向いたのはそういうわけ笑
まあ いつも肝心な問題はスルーしてるボクマガ(ボクビーも?)ですけどね笑
>g1j2p5i5さん
ああ、そういうことですか。つまり日本向けのリップサービスですね。
こんなキラ星のようなスター王者たちと、あなたがたの藤岡選手は同格ですよ、と言う。
ここまで言えばジャパンマネーのスポンサーがあらわれるんじゃないかと期待しているのでしょうか。
しかし、スター王者たちの名前を何人並べても、日本ではひとりも知られていませんよね。メディアのみなさんの怠慢のおかげで。スーパースターのスージー・ケンティキアン選手やジェシカ・ボップ選手でさえも。
さらにWBC女子の日本でのイメージは最低最悪。ジャパンマネーも底を突いて久しいですし。
日本からスポンサーなんて出るわけがありません。電話会社やビール会社という超優良企業がスポンサーについているメキシコとは全然事情が違うんですけど、WBCさんにはそのへんが分からないんでしょうね。
井岡の試合も
毎回毎回パチンコ屋と
韓国料理と韓国バーガーぐらいしか
スポンサーいないしな
なに屋さんでもおカネを出してくれれば有り難いですよ。
しかし、日本の企業はスポーツにおカネを出さなくなりましたね。
「スポーツ・文化を通じて社会に還元する」という言葉はだいぶ前から見てないような気がします。