観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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この夏を振り返って 2017 シュートボクシング、ボクシング、ムエタイ女子

 真夏の格闘技のピークもひと通り過ぎました。ということで、7月から8月にかけての女子立ち技格闘技について、ちょっと思ったことを書いてみます。

ムエローク
 まず、7月のGirl’s S-Cup 2017。S-Cupは本来、トーナメントの大会なので、トーナメントじゃない今回はS-Cupと呼んでいいのかどうかということはありますが、そのへんは柔軟に、これはこれで試行錯誤のひとつということで積極的に評価したいと思います。


 しかし、そのワンマッチをひとつひとつ見ると、まず、計量をパスできないでフラフラになりながら、例外的な3度目の計量までいって、やっとパスした選手がいたようです。「ひとりで歩けないほど」と記事になっていましたが、それが本当だったらもうその時点で失格がいいでしょう。そんな状態の人にリングに上がってもらっても、事故が起こってしまったら競技の存続にも関わりますから。

 そして、今回一番物議をかもしたギャビ・ガルシア薮下めぐみ戦は組んだこと自体が間違いですね。シュートボクシングさんが組みたくて組んだカードじゃないことは想像に難くないです。でも、あの試合がネットに流れてイメージが悪くなったのはシュートボクシングさん。「こんなことやっている団体」ってイメージになったと思うんです。特に海外では。あんなこと、いままで一度も無かったのに、それが残念です。

 体重差のある試合なら薮下選手というのはSBさんの発想にはないでしょうから(というか、そんな大昔のジョシカク伝説はSBの人からは出てこないはず)、外部からの提案だったんだと思うんですけど、その「ジョシカク風味」の提案をそのまま受けてはダメですよ。

 「ジョシカク」というのは全然一度もうまくいったことのない駄目コンテンツですから。グンダレンコ戦自体が客席ガラガラ、タダ券必死に配って関係者を呼びまくって一部の客席だけ埋めた黒歴史でした。

 ジョシカク関係者の発想にはどうしても色濃く「見世物」の要素があり、「当たるか外れるか」の山っ気たっぷりの世界なんです。が、当たった試しがない。スポーツの範囲からはみ出し過ぎの困ったことがたびたび起こるので、あの方面には深入りしないのが吉です。

 あと、もうひとつ残念だったのはリングが小さかったこと!これは誰のせいでもなくてシュートボクシングさんの間違いです。たしかに、このリングをGirl’s S-Cupでは初期の頃から使ってきましたが、それは会場が狭かったという事情からで、もう、今回のような立派な大会をひらける会場になってまであのミニリングを使うとは思いませんでした。

 会場が大きいのにリングが小さいと、すごく安っぽく見えます。もうGirl’s S-Cupは、あんな特殊なリングを使っていたらダメです。男子であのリング使わないんですから、同じ理由で女子も使わない。そうするのが当たり前です。

 ボクシングでは池山直選手のWBO王座に花形冴美選手が挑戦して面白い試合になりましたが、明らかに池山選手が勝っているのにドロー裁定・・・。

 ヒドい判定は去年の池原シーサー久美子江畑佳世子戦、数年前の天海ツナミ山口直子戦など、日本人どうしのタイトル戦に多く発生するのを見ても「ジャッジになにか圧力がかかっている」あるいは「ジャッジにある方向の結果を出す意図がある」と考えるしかありません。バカバカしい世界です。

 一方、女子ボクサーの皆さんはこのところ試合の予定が真っ白の人ばかりで、ブログもネタが無くきょうもあしたも食べ物のはなし。なんかね、秋風が吹いてるような・・。

 ムエタイでは現役WMC世界王者のマエリー選手が名古屋のリングに登場。同じくWMC世界王者のサオスコータイ選手も東京で伊藤紗弥選手とWMCアトム級王座決定戦で戦うとされていましたが・・こちらは北部タイの中堅ファーチェンラーイ選手に変更に。

 これは「サオスコータイ選手が難色」と記事になりましたが、WMC現役王者のサオスコータイ選手がおなじWMCの別階級のタイトルマッチに出るほうが不自然なので、変更は当たり前というか、最初から話が通ってなかったのでしょう。

 さらにこの試合はアトム級の予定が、ひとつ上のミニフライ級でおこなわれました。「タイ側の不手際で」と書いているところもありますが、タイが一方的に悪いのでは無いと思います。だって、もともとWMCにはアトム級なんて無いのです。

 というわけで、今回の混乱はタイ側だけのせいではありません。この辺は公平な報道をしてもらいたいと思います。

 結局、伊藤紗弥選手はサオスコータイ選手よりもいくらか格下のファーチェンラーイ選手とミニフライ級で戦ったわけですが、これが接戦でした。

 ファーチェンラーイ選手はかなり守備的な戦い方をしました。いつもよりも出てこないし、ハイキックも打たない。しかし、ムエタイでは自分から出なくても勝てる方法はいくらでもあるのでこれは勝ちをあきらめた戦いではありません。一点差の判定はタイびいきでもなんでもなくて、実際、そういう試合だったと思います。

 伊藤紗弥選手が天才少女と呼ばれたのは当然だと思いますが、タイの中堅の実力が決してあなどれないということをこの試合は教えてくれたと思います。ファーチェンラーイ選手の試合はこれまでリトルタイガー戦、プンサイアーム戦、ペッチージャー戦、クラターイカーオ戦などをお伝えしてきましたが、全部黒星でした。それでもこれだけ強いんです。この階級がいかに激戦地かということです。そういうことをわかってもらえたらなあと思います。一戦の重みというかね。

 香港のムエタイトーナメントに日本から女子3選手が登場しての活躍も印象的でした。女子は中国などの参加が無かったので各階級4選手のトーナメントになってしまったものの、ユリカGSB選手の金メダルは大きな価値があると思います。

 残念ながら梅尾メイ選手は故障を悪化させて決勝を落としてしまいましたが、負傷をおしての奮戦でガッツを示しました。未奈選手はモンゴル選手のパワーと、倒れる途中の追撃というグレーな技にやられてしまいましたが、54kgまでしかないこの大会に合わせて7月のGirl’s S-Cupから6kgも落とす大減量をしていたのでいろいろと仕方なかったと思います。

 とにかく、日本の女子選手の名前が海外で注目されるようになってきた傾向は大歓迎。この調子で日本女子立ち技勢は今後もどんどん海外で暴れてほしいと思います。頑張って下さい。面白くなってきました。

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コメント

  1. g1j2p5i5 より:

    >一方、女子ボクサーの皆さんはこのところ試合の予定が真っ白の人ばかりで、ブログもネタが無くきょうもあしたも食べ物のはなし。なんかね、秋風が吹いてるような・

    思わず吹き出しちゃいました笑   栃木出身のあの選手ですね

    ツナミ陣営なんかも 試合組めるよう頑張ってるようなのですが・・
    あと 藤岡選手の5階級チャレンジも中止のようです

    ため息しかでませんよね・・・

  2. queens of the ring より:

    ・・いや、誰というわけではありませんが(笑)、
    ボクサーが食べてる話をするときは当分は試合がないという意味ですからね。
    長く続くとかなしくなりますよね。
    藤岡選手、どうするんですかね?
    あんまり世間受けとか考えすぎないでご自分のやりたい試合をやるのがいいんじゃないかと思うんですが。
    5回級制覇はもうアマンダ・セラノ選手がやっちゃいましたもんね。

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