Boxing
2018年8月20日(月)東京 後楽園ホール
VICTORIVA Vol.2
第4試合 アトム級 6回戦
松田恵里 まつだえり(TEAM 10COUNT)青
VS
葉月さな はづきさな(YuKO)赤
青コーナーはリングアナの須藤尚紀氏の言うところの「国体優勝の実績から4回戦免除、本日B級6回戦デビュー」の松田恵里選手。赤は黒木優子選手でおなじみの福岡のYuKOフィットネスボクシングジムの葉月さな選手。
国体の女子ボクシングって2016年に始まったばっかりで、その時の優勝者は和田まどか選手だった記憶があるので、青の選手は2017年の優勝なのかなと思ってましたが(日本のアマボクシングへの関心はしばらく前から崩壊状態でまったく把握しておりません…)、調べてみたら2017年も優勝は和田まどか選手。
で、松田選手の優勝した大会というのは、国体の下の関東ブロック大会の、そのまた下の神奈川県大会だったようです。松田選手は2017年の国体に出場していますが準々決勝敗退(第5位)です。
須藤さん、JBC公式リングアナなんだからちゃんとしましょうよ。
以前も、なでしこジャパンでもなく、なでしこリーグでもなく、その下のなでしこチャレンジリーグ出身の選手をなでしこ呼ばわりしていましたが、こういう体質やめてくれませんか。日本人はそういうの好きじゃないですよ。
あとですね、そういう話題性で釣ろうという感性、本当にダサいです。
それはともかく、試合は両選手最初からフルスロットルで飛ばします。初めて見る松田選手はサウスポーのきれいな構えで、パンチのスピードもあります。
きっちりボディを打ってくるのもアマ出身選手のいいところ。プロに慣れると省略しちゃうひともいますが、これは大事な武器なんで忘れないでほしいですね。
ストレートの出し方もいさぎよいし、好感を持って見てましたが・・
日本のアマボクシングってすごく特殊な世界で、海外とは違ういろんなローカルな習慣があるようで、近接戦を異常に嫌うのもそのひとつのようです。選手どうしが接近すると異様に早くレフリーが二人を分けちゃうんですよね。ですから、接近戦の技術がないみたいです。
松田選手もそういうのに慣れすぎているみたいで、中間ではちゃんと手を出すけど、近づくと攻撃しないで相手にくっついてブレイクかけられるのを待つ感じ。ハナっからショートレンジの攻撃を捨ててるっぽい・・。これはプロではマズイっすね。
自分が攻め込まれている時には仕方ないけど、自分が攻めている時にもクリンチに行っちゃうんですからいけません。
そんなこんなで、1~2ラウンドは互角と言ってもいい展開でしたが、第3ラウンドから葉月選手がギアをあげて攻勢に出ます。
接近戦ではただ身を寄せてブレイクを待つ松田選手に葉月選手が容赦なくボディ。第4ラウンドは松田選手にはつらい時間となります。
クリンチに行くというよりもただ単に接近して打たれる松田選手。
松田選手のパンチは正確なのですが当たったところから伸びないので軽い感じ。
第5ラウンド 相変わらずクリンチにいってボディを叩かれる松田選手。
松田選手の攻撃を見切っている葉月選手。3、4、5ラウンドは葉月選手の回だったでしょう。
打ちながら結局クリンチに行くパターンがやめられない松田選手ですが・・
最後は少し泥臭い攻めを見せたものの、時すでに遅く、いい形にはなりませんでした。
中盤の3ラウンドは葉月選手が取っていたので、葉月選手の勝利は濃厚、悪くてもドローという印象でしたが、ジャッジ3名が支持したのは全員一致で松田選手。
むかしからプロボクシングの判定には疑問がつきもので、大きなジムの選手が勝つとか、言われていますよね。
さらに女子なら「グラビアアイドル」「現役女子高生」「なんとかカフェ店長」「芸能活動しています」「なんとかリーグ出身」みたいなどうでもいいことをボクシング業界のおじさんたちが喜ぶ風潮があって、なんともバカバカしい話です。
松田選手の場合はリングアナさんが「期待の新星」なんて呼んでましたし、この試合の後にチャンピオンのインタビューに無断で『乱入』させるという最低の演出もありましたし、どうやら試合前から『松田推し』は決まっていたような印象です。
実際に決まっていたかは知りませんが、印象はそうでした。
勝者の手を挙げる係である葛城明彦レフリーは判定が読み上げられる前から松田選手の方しか見ていませんでした。
少し前からアマの奈良判定なんてものが話題になっていますが、プロではずっと前々から大阪判定、名古屋判定、東京判定という、要するにホームびいきが公然と言われています。
というのは、実は試合のジャッジやレフリーを振り分けているJBCさんというのが一枚岩ではなく、北海道、東京、中部、関西、西部というように別組織なんです。
開催地区によってレフリーやジャッジはその地区の人(つまり地元の人)が担当するのです。
で、今回のジャッジを担当した吉田和敏さん、福地勇治さん、山岸善明さんは全員JBC東京のひと。
松田恵里選手の属するTEAM 10COUNTさんは神奈川のジム。
葉月さな選手は福岡のYuKOフィットネスボクシングジム所属。福岡はJBC東京とは無関係のJBC西部の管轄。
ということで葉月選手にとっては後楽園ホールはアウェイだったんですね。
実際に何があったのかは知りませんが、状況的にはこういうことです・・・。
なお、この大会は有料動画サイトボクシングレイズさんで全試合録画配信されています。
第4試合 アトム級 6回戦
○松田恵里 まつだえり(TEAM 10COUNT)
判定 3-0
×葉月さな はづきさな(YuKO)
松田恵里選手の判定勝利
(57-58、56-58、56-58)
この試合の結果、松田選手は日本アトム級3位、葉月選手は6位にランクされました。
松田恵里 まつだえり(TEAM 10COUNT)1戦1勝(うちタイ人0)
葉月さな はづきさな(YuKO)11戦6勝(うちタイ人1)4敗1分2KO(うちタイ人1)
コメント
試合動画見ました
松田選手は、ホールドを序盤から注意されていて
レフェリーも注意の回数を指で示している様子が映像に残っていましたが
中盤以降、注意も回数を示さなくなり、引き離して終わりという感じ
本来なら減点の対象になるのではないかと思いますね
その点から見ても意図的な物を感じてしまうような試合でした
>ゆうさん コメントありがとうございます。
あんなにしっかり腕抱えていたら普通にホールディングですよね。
ライターさんもだれもそういうこと書きませんし。
自浄作用の無い業界って感じですよね。