Shoot Boxing
2009年8月23日(日)東京 品川ステラボール
SHOOTBOXING GIRLS TOURNAMENT “Girls S-cup2009”
オープニングマッチ 岡加奈子 vs HARI
トーナメント 一回戦 レーナ vs 吉田正子
トーナメント 一回戦 石岡沙織 vs 高橋藍
トーナメント 一回戦 富田美里 vs 岡田円
トーナメント 一回戦 V一 vs イム・スジョン
トーナメント リザーブマッチ 大沼慶子 vs 西田恵理
エキシビションマッチ 藤井惠 vs 渡辺久江
トーナメント 準決勝 レーナ vs 石岡沙織
トーナメント 準決勝 岡田円 vs V一
総合ルール ワンマッチ 杉山しずか vs 坂本ひとみ
SB無差別級 ワンマッチ HIROKO vs 超弁慶
トーナメント 決勝 レーナ vs V一
富田美里選手やレーナ(RENA)選手の活躍によって再び注目を集めはじめた女子シュートボクシングが、その機運を逃さずにさっそく実現した”Girls S-cup2009″は素晴らしい大会になりました。
空手/総合格闘技のトップ選手や、キック/ムエタイの新人、シュートボクシングのベテラン選手など、ツボを押さえた選手構成でトーナメントのスリルと、シュートボクシングの面白さがどちらもよく出ていたと思います。
しかし、一番印象に残ったのは、各選手の必死の頑張りです。ひとつひとつの真剣勝負が見た人の心に何かを伝えました。
もちろん、全員がプロ選手なので一生懸命やるのは当たり前ですが、なんとかこのリングで「自分の可能性を証明したい」「自分の格闘スタイルの正しさを確認したい」という熱意が、それぞれのファイトの個性となってあらわれていたのが最高に面白かったです。
なかでも、一番の個性派はV一(ヴィーはじめ)選手。彼女の破竹の進撃は特筆もの。あんなガチなバックドロップなんてなかなか見られるものではありません。最高のスペクタクルでしたね。
そのV選手に「投げ 対 打撃」の真っ向勝負を挑んで壮絶に散った岡田円(おかだまどか)選手ですが、彼女もまたこの大会のハイライトです。岡田選手の蹴りには人目を引く美しさと破壊力があり、まさにプロとして銭を取れる技だと思います。
岡田選手はもともとは空手家ですが、総合格闘技の稽古も積んでいるため、V選手が放つ強烈な投げ技にも全部きちんと受け身を取って対応していました。
SBでは「投げられない」ことも重要ですが、「投げられてもダメージを負わない」ことも同じぐらいに重要なのです。
いやあ、しかし、本命と見られていたレーナ選手が、見事に本命の役目を果たして一番でゴールしましたが、これはハタで見てるほど簡単なことではなかったと思います。
正直に言って、この大会の正式決定のころには、レーナ選手が絶対有利と言えるような材料はありませんでした。これは、だれが生き残るのか予想もつかないトーナメントになる、と思って見ていました。
しかし、結果的には、弱点をおさえ長所を生かす戦い方をしたレーナ選手が堂々と見事な初優勝。その戦い方のクレバーさと、大会直前に猛烈に積み上げたと思われる実力の伸びしろは、はるかに予想を上回っていました。嬉しい誤算というやつです。
レーナ選手、ガールズSカップ優勝、本当におめでとうございます。
しかし、レーナ選手が目指す頂点はここではないでしょう。もっともっと大きな経験がこれからも待っています。
いや、その前に、今回はこの大会での対戦が実現しなかった何人もの選手たちがいます。彼女たちと対戦して、この優勝がラッキーではなかったことを証明する必要もあるでしょう。勝利の積み重ねこそが確実な評価につながるのです。
”Girls S-cup2009″は疑いもなく成功でした。でも、それはまだまだほんのスタート。ここから本当の戦いが始まっていくのです。
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