Boxing
2017年2月17日(金)タイ
フライ級 6回戦
ソピーダ・サトゥムラン(タイ)赤のコスチューム
VS
ペップンカーン・ソー・プライトーン(タイ)イエローのコスチューム
上掲の動画は2月17日にタイでおこなわれたフライ級6回戦のもようです。
当ブログではこれまでタイの女子プロボクシングに関しまして、1.選手がいない 2.ファンがいない 3.トレーナーがいない 4.スポンサーがいない 5.まともな環境がない という現状を書いてきました。
しかし、タイの選手を海外に派遣するブローカーさんにとっては「選手がいません」では商売にならないので、要請があれば、ムエタイの選手、あるいはムエタイもしたことが無いアルバイトさん、をかきあつめて適当な戦績をつけて送り出します。
彼女たちはボクサーではありませんが、そんなことは派遣する側も呼ぶ側も気にしません。
正確に言えば、タイにも少数の女子プロボクサーはいます。そのうちのひとりが赤いコスチュームのソピーダ・サトゥムラン選手。タイの代表としてアジア圏の大会でいくつものメダルを獲ったアマエリートですが、昨年夏にプロに転向し、今回が2戦目。
けれども、彼女に見合う対戦相手はいません。外国から相手を呼んでくるおカネもありません。で、結局はムエタイの選手をボクサーということにして、試合に出します。昨年のサトゥムラン選手のデビュー戦の相手も、今回の第2戦の相手も、どちらもムエタイのひとでした。
日本の女子ボクシングでやっているのと同じことをタイでもやっているわけです。
試合はご覧のように力の差が歴然で、お話にならない内容。相手はボクサーじゃないんだから当然ですが。
フライ級 6回戦
○ソピーダ・サトゥムラン (タイ)
判定 3-0
×ペップンカーン・ソー・プライトーン (タイ)
ソピーダ・サトゥムラン選手の判定勝利
(ペップンカーン選手は第1および第3ラウンドにそれぞれダウン1)
今回、サトゥムラン選手の相手をさせられたのはペップンカーンというムエタイの選手。ムエタイでは中堅クラスで決して悪くはないのですが、ご覧になってお分かりのとおり、ボクシングは出来ません。
ペップンカーン選手(赤)はムエタイの選手
彼女の名前はBoxRecではパクサー・ウパタム。たぶん本名でしょう。ムエタイではペップンカーン・モー・クルンテープ・トンブリー、2013年に来日してハニー・カツマタ選手と戦った時の名前はノンアイ・クルンセップ・センブリ、そして今回の名前はペップンカーン・ソー・プライトーン。
JBCさん的にはこういうのは「複数リングネーム使用」ってことになるんでしょうね。ペップンカーン選手を招聘禁止にしてください(笑)。
というかね、タイのこういう業界から選手を呼ぶのが間違いです。ムエタイを利用して女子ボクシングがあるかのように、選手がいるかのように偽装している最低の業界、それがタイの女子ボクシングです。
それを知ってて負け役としてボクサーじゃ無い女の子を呼んでくる日本のボクシング界も問題です。勝った勝ったと喜んでいる人たちはバカにしか見えません。
そして・・・この試合で6ラウンドやらされたわずか9日あとに、ペップンカーン選手は今度は韓国に送り込まれてまたボクシングを6ラウンドやらされているんです。
危険でしょう?あぶないでしょう?
そんなところから呼び続けていたらどんなことになるかわかりませんね。
書きましたからね!
なにかあった時「知らなかった」とは言わせませんよ。タイ人女子ボクサー大好きのワタナベジムさん。覚えておいてくださいね。
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コメント
男子だってやってることだし、わざわざタイ人に()までつけて強調する必要があるのかわからなかったのですが
こんな相手ばかりと試合をしていても本物の選手は育たないですね
徐々にでも脱タイ人をして欲しいです
負け役で各国で試合をする選手はせつなすぎます
>ルキアさん コメントありがとうございます。
タイ人に()をつけて強調しているのは、タイ人なしでやっている選手と、タイ人に依存して戦績を伸ばしている選手の二種類がいることを示したかったからです。
いっしょにしたら、真面目にやっているジムや選手が気の毒なので。
ボクシングで日本に呼ばれるタイの女子にも二種類がいます。最初から負けるつもりの人と、勝つつもりで来る人ですね。
でも、どちらもボクシングをちゃんと習っていないので「噛ませ」である事には違いないんです(泣)。