Boxing
2018年8月20日(月)東京 後楽園ホール
VICTORIVA Vol.2
第6試合 日本女子アトム級タイトルマッチ 6回戦
王者 鈴木菜々江 すずきななえ(シュウ)
VS
挑戦者 荒瀬あかり あらせあかり(ヨシヤマ)
新設された日本女子王座の決定戦が昨年秋より各階級で順次おこなわれましたが、フェザー級決定戦がドローで再試合、そしてこのアトム級の決定戦もドローで再試合の末、ようやく鈴木菜々江選手が今年3月に王座をつかむという波乱の幕開けとなっています。
葉月さな選手との2度の激闘でたどり着いた王座を絶対に守りたい鈴木菜々江選手は初防衛戦を迎えて緊張マックスの表情。
それもそのはず、日本女子王座はB級ライセンスで獲れる王座なので鈴木選手はB級保持者なのですが、挑戦者の荒瀬選手はA級ライセンスなのです。
以前ならA級ライセンスを取りさえすれば、あとはマッチメークしだいでアジアだろうが世界だろうがタイトルマッチに参戦できたのですが、現在はまず日本王座、そしてOPBF東洋太平洋王座を獲らなければ世界挑戦は認められないことになりました。
そのため、荒瀬選手のA級ライセンスは日本王座を獲らないと宝の持ち腐れ。ここは絶対に勝たなければなりません。
しかし、ふたり向かい合うとかなりの身長差があります。
さらに接近して連打で勝負に出ますが、荒瀬選手のパンチはご覧のように軌道が外に広がった横殴り系。
構えた位置からパンパンと小さなスイングで打つのですが、いわゆる手打ちなので威力がありません。
両選手ともフットワークがないので、直線的に接近、連打、クリンチを繰り返す試合になりました。
全体的にこんな場面が多いのは両選手ともショートレンジの技術がまだまだだからでしょう。
荒瀬選手のビッグパンチはだいたいがこのような飛び込む系。けれど、打つというよりは押すという感じに見えますし、このあとに攻撃が続かないでクリンチになってしまうのです。
これは第4ラウンド中盤のジャブなんですが、荒瀬選手はリーチで不利なぶん前に出ようとするあまりかフォームが滅茶苦茶。踏み込んでいないし、腕も伸びていません。
また、接近して連打を出しても、それが引き手をとらないその場打ち、構えからの手打ちのミニスイングばかりなので、インパクトに欠け有効打には程遠い感じ。
鈴木菜々江選手も手打ちが多いのですが、以前に比べれば良くなっているようです。
また、鈴木選手はときおりアッパーやボディーを打ちますが、荒瀬選手はショートでは策がなさすぎでした。
押し相撲のようになって膠着する場面はJBC女子認可直後に比べれば最近はへりましたが、タイトルマッチで目につくのはよろしくないですね。
試合を通して、印象的だったのは鈴木菜々江選手が力強くなって来てるということ。もともと当て勘が良い選手ですが、パンチが以前よりさまになってきたようです。
いろいろ改善の途上にあるのは事実ですが、王者とはいえまだ6回戦なので、これは自然なことだと思います。
6ラウンドが終わって判定を待つ王者・・・。客席から見て勝利は明らかだったのですが、ご本人は不安で仕方がない様子。
鈴木選手の安堵が伝わってきて良い感じのリング上だったのですが・・
ここで須藤尚紀リングアナがいきなり流れをぶった切って『挑戦状』とやらを読み上げ始め、目が点になってしまう鈴木菜々江王者。
ここから不愉快な『乱入劇』が始まるのですが、それは関連記事でご覧下さい。
指名挑戦試合という大きな仕事を終えた直後の王者に、公式リングアナがこんなことするんですから信用できない団体ですね、JBCさんて。やっぱり。
第6試合 日本女子アトム級タイトルマッチ 6回戦
○王者 鈴木菜々江 すずきななえ(シュウ)
判定 3-0
×挑戦者 荒瀬あかり あらせあかり(ヨシヤマ)
鈴木菜々江王者が判定勝利で同王座の1度目の防衛に成功。
(58-56、58-56、59-55)
なお、この大会は有料動画サイトボクシングレイズさんで全試合録画配信されています。
鈴木菜々江 すずきななえ(シュウ)10戦7勝(うちタイ人0)2敗1分1KO(うちタイ人0)
荒瀬あかり あらせあかり(ヨシヤマ)11戦6勝(うちタイ人1)5敗1KO(うちタイ人0)
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コメント
>信用できない団体ですね、JBCさんて。やっぱり。
WBOAP女子SB級王者
WBOAP=April Adams選手
JBC=後藤あゆみ選手
どっち?
JBC・・・ちゃんと確認しろよー(呆笑)
ファンが一番迷惑!
以前も「池山選手勝手に剥奪事件」ありましたよね JBCとWBOって相性悪いのかな?
WBOはそんなに悪い団体でもないのに