観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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日本の女子キックと世界標準のギャップを埋める

 ShootBoxing  KickBoxing

 90年代の中期にシュートボクシングの藤山照美(ふじやまてるみ)選手、キックボクシングの熊谷直子(くまがいなおこ)選手を中心に燃え上がった打撃系女子格闘技の炎は、その後、一時の勢いを失い、新しい人材を総合格闘技のほうに持っていかれるなどして興行的には冬の時代を迎えました。

 そうした時代のトップファイターである早千予(さちよ)選手、彩丘亜沙子(さいおかあさこ)選手、NORIKO・T選手などの実力者は国内にレベルの合う相手が見当たらず海外のリングや総合格闘技などに活動の場を移しました。

 現在、日本でおこなわれている女子打撃系の興行の多くは、こうした人材の薄い時代に始まっているため、いずれも本来の女子ルールから一段低いノービス(初心者)ルールにレベルを落とすことによって参加者を増やして成り立ってきました。そしてそのルールが現在も主流としておこなわれています。

 具体的に言えば、熊谷直子選手から早千予選手のころまでの女子キックは3分5ラウンドが当たり前で、デビュー戦レベルでも3分3ラウンドでした。

 藤山照美選手のころのシュートボクシングは第1ラウンドが5分、第2ラウンドが4分、延長ラウンドが3分でおこなわれていました。

 現在はキックもシュートボクシングも女子は2分3ラウンドが普通のようになっていますが、これはノービスルールがそのまま定着したもので本来の姿ではありません。

 海外ではメインイベントクラスの選手は2分5ラウンド、3分3ラウンド、3分5ラウンドの試合をこなしています。

 日本ではJガールズさんのタイトルマッチが2分5ラウンド、ニュージャパンキックさんのタイトルマッチが3分3ラウンドになっているのが最長で、あとはほとんどが2分3ラウンドになっているようですね。

 ラウンドの回数が増えたり、時間が延びたりすることは、単に体力だけではなく試合運びの技術も問われることになります。

 日本のキック系女子格闘技がいまよりさらに高みに登るには、このへんの見直しがそろそろ必要かなあと思われます。

 今回ご紹介した動画は熊谷直子選手の好敵手キム・メッサー選手がイヴォンヌ・トレビーノ選手を迎え撃った1995年ISKAライト・アトム級タイトル戦、2分10ラウンドのもようです。

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コメント

  1. ST より:

    1ラウンドはやっぱり3分はほしいですね。

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