観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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『女子ボクシングチャレンジマッチ』雑感 大会を開く人や記事を書く人は一度自分でお金を出してヨソの大会を観客席から見るべき

 Boxing

 このブログは「観客席目線」で書いています。そのような前提を折に触れて書いているのは、スポーツブログの中には立場をハッキリさせないで書く人も多いからです。

 ある時はお客さん目線ふうに「あの大会は面白かった」と書いていたのに、その大会で何か問題が起こると「いろいろ事情があるんだから仕方ない」というような身内目線にシフトチェンジしちゃうブログって時々ありますが、書く記事によって視点を変えるのは読む人を裏切ることですし、選手のひとたちを裏切ることでもあります。

 ネットに文章を書く人はファンだけではありません。選手や主催者の身内だったり、自分自身が主催者のひとりだったり、「記者」の肩書きがあっても実は利害関係者である場合もあります。そういうひとは、自分たちの都合の悪いことは書きません。都合の悪いことは良いように修正して書くこともあります。満員でない会場を満員と書き、負けたような試合を圧勝と書きます。不評の大会を大好評と書きます。北朝鮮と何も変わりません。

All_Women_Amateur_Boxing
 身内意識というのはそうやってウソに結びつきやすいのですが、さらに根っからの身内の人は、世間の常識と遠くなることもあって悪意が無くても自分たちの間違いに気が付かない場合も多いようです。

 今回の『女子ボクシングチャレンジマッチ』で一番驚いたのはファンの人たちをリングサイドから完全に排除していたことです。多分、座席割りを作ったご本人たちはファンを排除したつもりはないのでしょう。しかし、あの日の後楽園ホールの東側と西側は全席が関係者席に指定され、北側と南側もリングに近い席全部が関係者席。お金を払って見に来たファンは北と南の後ろの方の席しか与えられませんでした。

 いつものどこかの体育館でやっているアマ大会と同じつもりで「関係者席」「選手親族席」「ご招待席」などと適当に紙を貼っていった結果がリングサイドからファンを排除する異常な座席割りになったのでしょうけれど、これを異常と思わない感覚はイベントの主催者としては決定的に失格です。

 「女子ボクシングを応援してください」「女子にもチャンスを与えてください」と言ってチケットを売り、イベントのお客さんとしてファンの人たちを呼んだのですから、あの大会で一番大切なのは来てくれたファンのひとたちに決まっています。その人たちを後ろにして、自分たちとその身内は一番前。興行として有り得ない暴挙でした。

 でも、ボクシング連盟さんはその間違いに今も気が付いていないでしょう?

 それは連盟さんとそのまわりの関係者の人たちにファンとしてお金を払って大会を見に行った経験が欠如しているからです。その人たちは何かの専門家ではあるのでしょうが、ファンの気持ちが分らないのではスポーツイベントのプロではありません。

 一度、どんな大会でもいいからプロのスポーツイベントを入場券を買って見に行って下さい。色々気が付くことがあるでしょう。

 良いことも学ぶでしょうし、いやな思いをすることもあるでしょう。でも、それがスポーツ観戦者のわたしたちとの共通体験になるのです。

 ハッキリ言ってボクシングはアマはもちろん、プロの大会もそのほとんどがイマドキのイベントとしては時代遅れで不親切。そんな中にあって今回の『女子ボクシングチャレンジマッチ』は全体的に良かったと思います。動画をすぐに公開したのも良かったですね。

 プロのG-LegendシリーズやTo The Futureシリーズは、自分が客として観戦する経験があれば絶対に望まないような冗長な素人演出で、お客さんが減ったり、途中で大量に帰ってしまうという悲惨な歴史がありますが、今回の大会にはそういうことはありませんでした。興行としてはその2大会よりもスマートで好印象でした。特設サイトを作ったのも良かったですね(台湾選手の姓と名が逆、どの選手の戦績も載ってない、などの問題はありますが)。

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 しかし、なによりも当日の会場はリングサイドはガラガラで「関係者席」の白い貼り紙が目立ち、しかも、関係者席にいるほとんどの人が傍観者で応援の声も上げません。その結果、メイン近くの試合以外は会場は非常に静かでずうっと冷えきったまま

 あるスポーツを盛り上げたかったら、人気のコアになるファン層を作らなければなりません。

 大会を盛り上げたければコアなファンに一番近くに来てもらわなければなりません。そうでなければ会場は沸かないのです。

 そういうことはほかの人気スポーツでは常識。ボクシングファンの中でも常識です。ファンはみんな熱い試合を熱い会場で見た経験があり、だからこそファンを続けているのです。

 しかし、ジムの関係者や評論家やライターは自分でお金を出して大会を見た経験がないか、あっても忘れています。だから、料金を払って「熱狂を共有する」感覚に欠け、そういう基本的なことがわからないのです。

 「チケットを買ってたくさん見に行く人が関係者より偉い」と言っているのではありません。「人気や支持を得たいのなら、ファンを大事にするのが第一」という当たり前のことを書いているだけです。

 最後になりましたが、ファンは八百判定を見せられるのが大嫌いです。

 今回、メチャクチャな判定をしたジャッジのみなさんは清水聡選手がロンドンオリンピックで八百長判定された時に何も思わなかったのですか?あなたたちはあの時に資格停止になった八百長ジャッジと何も変わらないように見えますよ。

 ボクシング連盟の皆さん、ボクシング本当に好きなんですか?

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コメント

  1. ゆう より:

    ありえないよね

  2. 白いむく犬 より:

    管理人さんの言はれる通りでしょう。
    どの競技団体でもファンを置き去り傾向が
    強いですが、本末転倒でしょう。
    連盟、協会や役員が競技や選手を私物化して
    居ると想います。
    学生時代に自校の応援に行っていた程度の
    ファンがおこがましいかも知れませんが、
    伊藤沙月は負けか良くてドローだったのでは???

  3. たく より:

    新本vs箕輪も微妙な判定。1Rから新本のポイントがあがらなすぎる。しかし箕輪のポイントはどんどんあがる。
    八百長にはがっかりです

  4. Takagi より:

    いい大会とは思えませんでした

  5. EIGHT より:

    伊藤VS千本の判定は誰が見ても明らかにおかしいです。酷いですね・・・

  6. cr より:

    日本のアマチュア団体にありがちな害になるアマチュアイズムが出たと感じました<異常な席割り
    アマチュア団体はアマチュアイズムを守ることに過敏になるばかりに、ああいうことになるんでしょうね。猛省を促したいです。

    判定は…もう論外ということで。

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