Boxing
2013年12月3日(火)東京 後楽園ホール
OPBF東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦 8回戦
黒木優子(ユーケーオー)
VS
花形冴美(花形)
OPBF東洋太平洋ミニフライ級が空位となり、その王座決定戦として組まれたこのカード、次期エース候補同士の期待のリマッチとは言われていても、両選手ともキャリアのわりにはまだまだ荒削り。
前回対戦から半年弱、黒木選手は右パンチの強化、あるいは得意の左をもっと生かす戦い方を開発出来たのでしょうか?
花形選手は前に行き過ぎてフォームが乱れ、冷静なパンチを打てなくなる欠点を矯正出来たのでしょうか?
第1ラウンド いきなりの右でオープニングヒットを奪ったのは花形選手。
いつもならそのまま前進し続ける花形選手ですが、きょうは深追いはしないで、打ったその場からすうっと離れて行きます。
第2ラウンドになっても黒木選手は反応が悪く、打ちに行ってははずされてカウンターをもらう展開。
第3ラウンド 花形選手はじわじわ下がりながら相手の打ち気を誘い、出て来たところをかわして相手の顔面を弾きます。
第4ラウンド 黒木選手は強引に前進しながら左ストレートを当てに行きますが、
闘志に火がついた黒木選手はさらに攻撃的に前進。会場が大いに盛り上がるものの、パンチは相手に触れたかどうかの浅い当たり。
クリーンヒットが欲しい黒木選手。けれども、花形選手の守りは堅く、試合のペースを奪うことが出来ません。
このラウンドの終了時に読み上げられた採点は2-0で花形選手。ポイントが1~2の小差であるのと、ドローをつけているジャッジがいるのが謎。
第5ラウンド ポイントで負けている黒木選手は猛然と打ちかかりますが、花形選手はダッキングとステップワークで動き回る。
ラウンド中盤、近距離でプレッシャーをかけながら放った黒木選手の左がついに花形選手をとらえます。
クリンチブレイクのあともしつこく攻める黒木選手。ようやく黒木選手らしさが出て来ました。
第6ラウンド 花形選手の逃げパターンを読み始めた黒木選手。ロープぎわでストレートをヒット。
しかし、ゆるい右を出したところにカウンターをもらってしまいます。
第7ラウンド 花形選手は大きなヒットこそありませんが、手数と命中率は悪くありません。
相手が打とうとする寸前、あるいは打ち終わりに手を出しているのは花形選手。
第8ラウンド 最後まで崩れなかった花形選手の冷静な試合運び。
花形選手の勝利で問題ないと思われましたが、判定は黒木選手を勝ちとする1者を含んでの意外なドロー。
ここ数戦は前進するだけの雑な試合運びで、正直、花形選手の試合には失望していましたが、今回は彼女のボクシングには意図的な緩急や押し引きがあって、なかなかクレバーな戦いを見せてくれました。これこそが本来の彼女のファイトだと思います。しかし、いまだにフォームの乱れ、ナックルが当たらないなどの欠点は残っているので、今後の改善に期待します。
黒木選手は左右のアンバランスがまだまだ矯正出来ていませんが、結論を急がずにじっくり取り組めば必ず結果は出ると思います。あるいは左右を試合序盤だけでもスウィッチして、利き手の左でリードを打つのもありかな、とも思います。また、不利な試合展開でも常に堂々としているのが黒木選手のいいところ。勝者のメンタルというか、そういうものを持ってる人なのでしょう。
両者の熱い気持ちがぶつかり合う好試合でしたが、東洋王座決定戦と呼ぶにふさわしいかは別問題。両者とももっと上の試合が出来るはず。東洋王者はそういう試合で決めてほしいと思いました。
★テレビ中継★
スカイA
2014年1月8日(水)22:00~24:00
2014年1月19日(日)16:15~18:15
OPBF東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦 8回戦
△黒木優子(ユーケーオー)
1-1
△花形冴美(花形)
ドロー
OPBF東洋太平洋ミニフライ級王座は空位のまま。
黒木優子 くろきゆうこ(ユーケーオー)14戦9勝4敗1分5KO
花形冴美 はながたさえみ(花形)14戦8勝4敗2分3KO
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