Boxing
2013年2月26日(火)東京 後楽園ホール
第34回チャンピオンカーニバル/第42回フェニックス・バトル
WBAライトミニマム級タイトルマッチ
王者 宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
VS
挑戦者 秋田屋まさえ あきたやまさえ(ワイルドビート)
WBAライトミニマム級王者宮尾綾香選手(大橋)の王座初防衛戦。
第1ラウンド 王者宮尾選手がリング中央を位置取り、挑戦者秋田屋選手が時計方向にそのまわりを回りながらジャブからワンツー。
宮尾選手もジャブを多用しますが、お互いの動きが速く、あまりヒットはありません。
独特のステップでリングを舞う宮尾選手が終盤にジャブを当てますが、全体的にはおとなしい幕開けです。
普通にジャブを打ったかと思うといきなりのボディーやストレートを織り込んでリズムが読みにくい宮尾選手のボクシング。両選手とも反応がよく、なかなかヒットが奪えません。
後半に秋田屋選手の踏み込みにあわせて宮尾選手のカウンターが命中。
第3ラウンド 試合はお互いの軽快な動きでテンポよく進んでいきます。相変わらずしっかり動いてきっちり避弾運動をしている両者ですが、少しずつジャブが相手をとらえはじめたでしょうか。
あと少しでラウンドが終わるというころ、接近していた両者の頭が接触。
それほど強い当たりには見えませんでしたが、秋田屋選手の右の眉あたりから鮮血が流れ落ちます。 以前、小関桃選手(青木)との試合で切れた付近ですが、前とは違う傷のようです。 ドクターチェックの結果は試合続行。しかし、流血が目に入ったようで秋田屋選手の視界に影響が出ないかが心配。
第4ラウンド 流血ストップの心配が出て来た秋田屋選手は早めにポイントを積み上げようとドンドン前に出てくる積極策。宮尾選手がフックやアッパーで応戦して試合が一気に激しさを増します。
1分過ぎ、またしても至近距離で打ち合う両者が接触し、今度は宮尾選手がその場に転倒。宮尾選手のアゴと秋田屋選手の額が当たったようです。
必死に立とうとする宮尾選手ですが、相当足にキテいてうまく立てない状態。ダメージの深さを見てレフリーが1分間の休息を与えます。
宮尾選手はニュートラルコーナーで足を叩いたり、リングを踏みしめたりしながら自分に気合いを入れ回復をはかります。
試合再開。猛然と打ちかかってくる秋田屋選手の傷口はセコンド陣の手当の成果で血が止まっているようです。
秋田屋選手のストレート系の猛攻をフックとアッパーで迎え撃つ宮尾選手。倒れたダメージを感じさせないいい動きで宮尾選手がポイントを奪います。信じられない回復力。
第5ラウンド この回も両者ともいい動き。前後に速い秋田屋選手と、自在なステップの宮尾選手。再戦らしく、お互いをよく知っていて不用意な被弾はあまり見られません。
第6ラウンド 波乱続きのこの試合もとうとう後半に突入。この回になると秋田屋選手が宮尾選手の動きに慣れてきたようで、ジャブがときおりいい感じに当たります。
一方の宮尾選手のパンチは秋田屋選手をとらえることが出来ない状態。
そのままの展開で時間は経過し、ラウンド終了まであと20秒。宮尾選手がステップインから右ボディーを打つと秋田屋選手は大きく後方に転倒。
しかし、これはパンチが当たっていませんし、もちろんダメージも無く、秋田屋選手が右足を踏まれたための転倒なのでダウンではありません。
ところがレフリーはダウンをコール。秋田屋選手の抗議は一切無視。
前回のふたりの対戦では秋田屋選手と足が絡んで倒れた宮尾選手がダウンと判断される不運がありましたが、今度はそれが逆の立場で起こるとは… 。 こんなに頻繁に同様の誤審があるというのはレフリーのレベルに問題があるのでしょう。
第7ラウンド 体力の配分を考える様子も無くたえず動き続ける両選手。無尽蔵なスタミナがあるかのよう。
第8ラウンド あいかわらず積極的に出てくる秋田屋選手。そのパンチをかわした宮尾選手は…
大きなフック、小さなアッパー、再度に回り込んでのフックなどで揺さぶりをかけ…
最後は飛び込みからパンチを当ててポイントをかせぎます。このラウンドは王者宮尾選手。
第9ラウンド 距離をつめて来た秋田屋選手がワンツーからフック。これをかわした宮尾選手。
さらに攻めるチャレンジャー秋田屋選手ですがビッグヒットは生まれません。
チャンピオン宮尾選手のパンチも空を切り、場面場面では相変わらず拮抗状態。
第10ラウンド ついにやって来た最終回。ゴングとともに猛然と打ち合う両者。
1分以上もほとんど互角の打ち合いが続きましたが、後半は王者宮尾選手の変化に富んだパンチの命中が上回り、このラウンドは宮尾選手が押さえたでしょう。
アクシデント満載の10ラウンドも、最後はアスリートにふさわしい爽やかな総力戦。拍手のうちに両者は戦いを終えました。
WBAライトミニマム級タイトルマッチ
○王者 宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
判定 3-0
×挑戦者 秋田屋まさえ あきたやまさえ(ワイルドビート)
(96-93、98-92、98-91)
(秋田屋まさえ選手第6ラウンドにダウン1)
続発するアクシデントとミスジャッジで、どうなることかと思われたタイトル戦でしたが、試合は最後は正常に戻り、両者のスピードとスピード、技術と技術、闘志と闘志ががっちり噛み合う白熱のエンディングとなりました。
理想の試合には遠いものの、プロとして一番大事な闘志と勝利への意欲は両者とも十二分に見せ、ギラギラした感動を与えてくれたことに感謝します。
この結果、両選手の戦績は以下のようになります。
宮尾綾香 みやおあやか(大橋)21戦14勝5敗2分1KO
秋田屋まさえ あきたやまさえ(ワイルドビート)14戦8勝4敗2分3KO
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コメント
今晩わ 宮尾 V2戦は既報どうりオプションの関係で安藤とのリ・マッチが内定 フレッシュな対戦はその後に期待しましょう ライバル王者小関は母校のリングで防衛戦を行いたいらしいですが 格下ばかりでなくちゃんとした実力者を相手に選んでほしいですね
次戦もリマッチですか。
前王者の安藤選手はタイトル決定戦と最初の防衛戦の間にかなり実力を積み上げていたのには驚かせられました。
その後の1年でさらに伸びているでしょうね。期待しましょう。
小関選手はとりあえずほっといていいんじゃないでしょうかね(苦笑)。
詳細ありがとうございます。
秋田屋が宮尾のボディ打てたら展開は変わってかなと思います。秋田屋はボディなぜ打たなかったのてしょうね。やはり宮尾の動きが速く打てなかったんですかね。
アクシデントや誤審もありましたが、有効打は宮尾が多かったですね。
接近戦でのアッパー、ショートフックが秋田屋の顎に何度も決まってました。もう少しパンチがあればKOもあったかと思いますね。
テレビ観戦ですが、宮尾のショートよかったですね。パワーも増したような。今後が楽しみです。