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小関桃 素人相手の防衛戦で “具志堅の記録に並ぶV13” 小関桃 VS 超無名タイ人 WBCアトム級タイトルマッチ 試合経過 ボクシング女子

 Boxing

2014年3月3日(月)東京 後楽園ホール
G-Legend 6

WBCアトム級タイトルマッチ 2分10回戦
王者 小関桃(青木)
VS
挑戦者 アンゴー・ワンソンチャイジム(タイ)

アンゴー・ワンソンチャイ選手
WBCアトム級チャンピオン小関桃選手(青木)13度目の防衛戦の相手はアンゴー・ワンソンチャイジム選手。小関選手の防衛戦のいつものお約束通りこの選手もボクシングファンにはまったく知られていない超無名選手です。


無名でも実力があれば無問題ですが、彼女は去年デビューしたばかりの17才。まだ5戦しかしていませんし、その相手も未勝利の無名選手ばかり。つまり、この挑戦者にはまるっきりなんの実績もありません。それでもアンゴー選手はWBCの世界ランクでは10位。

なぜそうなるのかと言えば、この階級の強い選手はよその団体のチャンピオンで、それ以外の選手は世界で10人もいないという常に人数不足の状態だからです。

昔はこの階級にも何人か強い選手がいましたが、小関選手が戦わないでいるうちにパク・ジヒョン選手(韓国/IFBA王者)がその人たちを倒してしまい、次々に引退して今はもういないのです。

そこで、WBCさんは小関選手のタイトルマッチの相手がいなくなったりランキングに穴があいたりすると困るので、適当に無名の選手をみつくろって10位前後に放り込むということをもう何年もやってきました。小関選手の防衛戦はそんな挑戦者がほとんどです。

こういうものを本来、日本語では茶番劇と言いますが、マスコミさんは「具志堅用高氏の偉業と並ぶV13!」と呼びます。頭突きでベルトを奪い、噛ませで連続防衛、そんなものが具志堅氏の偉業と同じだとマスコミさんは言うのです。

単にボクシングの話というよりももっと大きな絶望がここにはあります… 。本当にマスコミはおかしいです。

小関桃 VS アンゴー
小関桃選手はロングリーチのサウスポー。突っ込んで来る相手をひらりとかわしざまにその左ストレートを叩き込むのが彼女の得意パターン。池山直伊藤まみ花形冴美といった猪突猛進型の挑戦者はみんな小関選手のこの術中にハマってやられました。

しかし、小関選手の勝ちパターンはそれだけ。相手が突っ込んで来ないと何も出来ないのが致命的な欠陥です。

この日の挑戦者も序盤こそは出る姿勢を見せましたが、自分のパンチが当たらないと見るや前進をやめ、バックステップオンリーの安全運転。こうなると小関選手は困ります。

小関桃 VS アンゴー
小関選手が強引に突っ込んで接近戦を挑むとすぐにクリンチして来るアンゴー選手。

小関桃 VS アンゴー
クリンチがブレイクとなってもすぐにまた下がり始めるアンゴー選手。チャンピオンベルトを奪ってやろうなんて意欲はカケラも感じられません。

小関桃 VS アンゴー
小関選手は前に出続け、積極的に左右を繰り出します。

けれども、まったく右のパンチが当たりません。これはむかしからの問題点なのですが。

時おり左は顔面やボディーに当たるのですが、右が当たらないのでコンビネーションとはならず、相手を追い込むことが出来ません。

小関桃 VS アンゴー
小関桃 VS アンゴー
左を当てられるとクリンチ、ブレイクされてもまたクリンチの挑戦者。

小関桃 VS アンゴー
クリンチの合間にはロープぎわやコーナーに押しやられることが増えて来るアンゴー選手ですが、右が当たらない小関選手はこの相手を仕留めることが出来ません。

小関桃 VS アンゴー
小関桃 VS アンゴー
試合後半になっても延々バックステップとクリンチを繰り返す挑戦者。

小関桃 VS アンゴー
8回、9回ぐらいにはほとんど手も出さず、組みつき専門になるアンゴー選手。もはやなんの競技か分かりません。

小関桃 VS アンゴー
小関桃 VS アンゴー
9回の後半、相手をコーナーに詰めてパンチをふるう小関選手。その多くが空を切り、特にこれといった命中弾はありませんでしたが、このようすを見た福地勇治レフリーが「もういいでしょ」といった感じで試合をストップ。

WBCアトム級タイトルマッチ 2分10回戦
○王者 小関桃(青木)
レフリーストップ 第9ラウンド
×挑戦者 アンゴー・ワンソンチャイジム(タイ)
小関桃選手がTKO勝利でタイトル防衛に成功

小関桃選手
試合後、わざわざマイクを要求して、「具志堅さんの記録と比べられることが多いですが、男と女は違うので具志堅さんとは比べないでほしい」と語った小関選手。

しかし、ボクシングは本質的に男も女も同じでしょう。違うのは個人の資質です。

具志堅さんには名勝負や名場面がたくさんありますが、小関選手にはひとつもありません。そこが大きな違いです。

実際、具志堅用高選手と比べられる選手なんて本当はいないんで、それを比べられる小関選手は気の毒と言えば気の毒なんですが、ズルしてここまで来て具志堅さんと数字上は並んじゃった結果ですから仕方ないでしょう。自業自得です。

また、マスコミはスージー・ケンティキアン選手の持つV14の女子最多防衛記録に次いで2番目と書いていますが、 小関選手と同階級の世界王者パク・ジヒョン選手がすでに昨年秋にV14を達成しており、小関選手は3番めです。2番めではありません。

また、スージー・ケンティキアン選手やパク・ジヒョン選手の持つ記録はもっとずっと強い相手と戦って勝った記録です。小関選手とは違います。

小関桃 こせきもも(青木)21戦18勝2敗1分5KO
アンゴー・ワンソンチャイジム(タイ)

関連記事 小関桃 引退状態のボクサーをTKOにくだしV11達成 WBCアトム級タイトルマッチ ボクシング女子

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コメント

  1. g1j2p5i5 より:

    今日わ
    よくぞ仰ってくれました!   俺たちのヒーロー(オレンジ事件もあれど)具志堅も 小関を称える始末・・   非常に残念ですが「統括団体が認定したTMだから」という認識なんでしょう

    それを受けてか 一部の元トレーナー・ブロガーも 同じく称賛・・   実情を知らないわけないのに怒   勿論パクの記録にもふれてはいません

    ところで 月末にパクがV15を達成したら 日本における女子最多防衛記録の認識はどうなるのでしょう?   老舗団体=マイナーではありません   4団体加盟 亀田問題とクリアしてきたJBCですが 最後とも言えるこの女ボク捻じれ現象を 記録面だけでも解決してほしいですね
    あと 小関の名誉王者認定は絶対反対!   ランク外ならいいですが   これだからWBCは・・・

  2. queens of the ring より:

    >g1j2p5i5さん
    コメントありがとうございます。
    リングスポーツの人たちは本来もっとも骨のある人たちのはずですが、現実には全然そうじゃないのがとても悲しいです。
    パク・ジヒョン選手のV15戦は3月30日の予定ですが、なぜか韓国国内での報道が無いんですよ。こういう時って中止の可能性があるのでまだ予告記事が書けないでいます。予定ではメキシコのアナヒ・トレス選手を呼ぶみたいですね。
    ウ・ジヘ選手の今回のタイトルマッチもお金が無くて実現には本当に苦労したようですが、アメリカから相手を呼んでいますし、パク・ジヒョン選手もお金の苦労は同じはずなのにまじめに海外選手を呼び続けていますよね。
    それにひきかえ日本のジムが呼ぶのは三流かそれ以下のしょうもない選手がほとんど。ふたことめにはお金がない、相手が見つからないと言い訳するようですが、韓国の頑張りを見ると納得出来ません。
    かつて具志堅ジムがメキシコから選手を呼んだときは破格のファイトマネーを払ったそうですが、女子では一部のスーパースター以外にはそんなお金はいらないはず。関係者のみなさんのリサーチが甘いのか、中間に入っている誰かが原因なのか。
    人を信じられないのはつらいことです。

  3. ゆめ より:

    こんにちは。防衛することはいいけど いかんせん対戦相手が…。

    パク選手とやってもらいたいものだけど。

    もしくは 宮尾選手との 統一戦でもいいが。

  4. queens of the ring より:

    >ゆめさん
    真っ当に考えれば、同じ階級で、しかもすぐ近くにいる世界王者のパク・ジヒョン選手、宮尾綾香選手と戦うのが筋ですよね。
    しかし、小関選手は強い相手になるほど頭突きでケガをさせる割合が増える人ですので、パク・ジヒョン選手、宮尾綾香選手の選手生命を考えると、その対戦はやめたほうがいいと思います。
    パク・ジヒョン選手との対戦はJBCさんが許可しないでしょう。

  5. g1j2p5i5 より:

    今晩わ
    小関  V14戦決まりましたが ボクレコを見る限り・・・怒   指名戦かなんか知らないけど 毎度毎度よくこんな選手を見つけてくるものです呆   42歳のチャレンジャーって 日本では初じゃないでしょうか?   正直 茶番にはウンザリですか V100までいけそうですね笑

  6. queens of the ring より:

    >g1j2p5i5さん
    いやー、まさかこの選手とは・・・。アスリートであることは確かですので年齢は不問としても、ムエタイの余興でボクシング2戦しただけですよね。開いた口がふさがりませーん。

  7. g1j2p5i5 より:

    今晩わ
    OPBF本部国は 今度比国に移る予定だそうです

    小関・青木ジムサイドにすれば 拒否すればタイトル剥奪   すなわち文句はWBCにってことでしょうが・・・(そこまで発言したわけじゃないですが)
    もう率直に言いますが 剥奪前にゴミ箱へ入れた方がいいのでは笑   その方が俺は評価しますよ(真剣)

  8. queens of the ring より:

    OPBF本部が日本からフィリピンに移動ですか。それは良いと思います。なんかもう、日本の事情でいじり過ぎてたような印象でしたから。

    それから、今度の小関選手の相手はWBCムエタイの王者ということで、WBCさんとしてはその宣伝をしたいのでしょう。
    しかし、この選手は後楽園のムエタイで秒殺KO負けをしていますので、その宣伝は逆効果なんですけどね。
    たぶんWBCさんはそんなこと忘れているのでしょう。すごいズサンな人たちですから。

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