むかし、サッカー日本代表を応援するためにソウルに行きました。飛行機を降りる時から胸に日の丸のワッペンをつけて。残念ながら、試合には負けてしまいましたが、帰りにも胸には日の丸をつけました。勝っても負けても堂々と戦ったのだから恥ではありません。
さて、日の丸とはなんでしょう?どうして日本の国旗なのでしょうか?
「日本」の意味は文字通り「ひのもと」です。そして、日の丸とは太陽そのものです。
日本は農業の国で、作物が良く穫れるかどうかはいつも人々の関心事でした。お百姓さんはもちろん、そうじゃなくても豊作は日本人みんなの願いでした。その恵みを支えてくれるのが太陽。「おひさま」、「おてんとうさま」、「おてんとさん」と呼んで人々は太陽をうやまいました。
早い話、日本は太陽信仰の国なのです。だから国名も日本(ひのもと)だし、国旗も太陽なのです。
日本人は太陽が大好きで、それは明るさと正義の象徴でもあります。だから、江戸っ子はお金なんか無くても「おてんとさまの下を堂々と歩けるような」生き方を誇りとしました。
そんな国ですから国旗が太陽なのは当然すぎるくらい当然のことです。
日の丸は別名「日章旗(にっしょうき)」ともいいます。国旗ではありませんが同じく太陽を表す「旭日旗(きょくじつき)」というのもあります。日の丸から光線が四方八方に伸びているような感じのあの旗です。
さて、この旭日旗が最近いろんなところでモンダイになっているようです。むかしからサッカー場などでは普通に掲げられていましたし、いまさらなんでモンダイなのかと思います。
たしかに旭日マークは日本軍のシンボルとして使われていましたから、軍国主義の象徴ということで問題視されているのかもしれません。
しかし、日本軍が誕生するずっと以前から旭日の印はこの国にあったもので、それを日本軍も使っていただけのことです。
日の丸と日本軍の結びつきも、長い日の丸の歴史から見れば一時期にすぎません。
ですから、日章旗や旭日旗を軍国主義とイコールみたいに言うのはおかしな話です。
外国から何か言われても「これはわたしたちが太陽を大好きだという意味であって軍国主義ではありません」と説明すればいいと思うのですが、不思議なことにそういうことを言う人はあまりいないようです。
もしかしたら日本人もあまり分かってないのかも知れませんね。
よく、サムライのイラストなどで日の丸が一緒に描かれていたりすることがありますが、武士にとって「国」とは自分が仕えている「藩」であり、大事なのはその藩主の家紋。日の丸ではありません。
だから、日の丸→武士道→軍国主義という連想は勘違いなんですね。
勘違いと言えば、外人さんが観光旅行に来て、お寺で卍(まんじ)のマークを見て愕然としていたという話もあります。卍の旗は裏から見ればナチのマークに見えますから、知らない人はびっくりするかもしれません。「観光地にこんな旗があるとは」と問題視して新聞に投書していた日本人もいました。
でも、卍は裏や表の違いはあっても、大昔から世界中の神秘主義の文化の中に存在しているものであって、ヒトラー総統がデザインしたわけではないのです。ただ、カッコイイからという理由でナチも使っていただけです。むかしからあるデザインのひとつなのです。
日本の伝統的な文化のなかにある旭日のデザインを、理解の無い外国からの圧力によって封印するようなことになったとしたら、お寿司屋さんにある大漁旗とか、某ビールのマークとか、いろんなものが同じ運命となるかもしれません。
それがエスカレートしてお寺の卍が使えなくなったらどうするのでしょうか。大事な文化財から卍の部分を削り取れなんてことになるかもしれません。
数年前までなんでもなかった旭日デザインが突然問題化されるのですから、卍だってどうなるかわかりません。
「この旗を使ってなにが悪い」という言い方ではなく「太陽の国だから太陽のマークなんです」「これは伝統的な意匠なんです」と説明することが大事だと思います。日の丸も軍国主義以前からのものですし、卍もナチ以前からあります。古くからの伝統を現代の都合で否定してはいけません。
最後に、日の丸について「手抜きのデザイン」などと馬鹿にする人もいるようですが、それは言いがかりです。シンプルと手抜きは違います。太陽を「赤」で表している日の丸は実はかなり独創的なのです。
太陽を描けと言われて日本人ならほとんどの人が赤で描きます。しかし、外国の人は金色や、白、黄色で描きます。
日本人は日の丸が心の中にあるから赤く書くのです。実際の太陽は赤くないでしょう?それなのに赤く書くのはみんなの心に日の丸が焼き付いているからです。それほど力のあるデザインなのです。
日の丸は手抜きどころかものすごく個性的で印象的な、世界に誇れる傑作だと思います。日本という国の理想を表すためにこれ以上の旗はないでしょう。
コメント
かつて日本が旭日旗の下、アジアの様々な国でジェノサイドを行ってきたのは規模の議論はあれど事実でしょう。ですから私は国家要人の靖国神社参拝と同様の理由で反対です。中国や韓国に配慮するのではなく、いかなる国においてもナショナリズム自体が偏狭でファシズムに直結する危険な思想だからです。
「たかが旗の問題」なのかも知れませんが、それが“japanese only”やヘイトスピーチと同根のメンタリティを有しがちな面をしっかりと直視する必要があると思います。
>みゅんみゅんさん
コメントありがとうございます。
ご趣旨は理解いたします。しかし、旭日旗をかざして戦争行為をおこなっていたときに同時にそこに日の丸もあったわけですから、旭日旗を否定するなら日の丸も否定しなければなりませんよね。実際、その理で日の丸を否定する人もいるようです。
でも、戦争行為のなかで利用されたからといってその意匠までも否定するのは行き過ぎと思います。そのデザインが直接的に武器や戦争を意味しているのならともかく、太陽という自然物の図案化ですし。日本人の自然への思いを表しているものですから。
靖国神社は軍隊神社ですので(多くの人が誤解しているようですけど、戦争で死んだ人がまつられているわけではありません。軍人として命を落とした軍人さんだけの神社です)問題となるのは当然ですが、旭日や日の丸は違うんじゃないでしょうか。
旭日や日の丸に悪いイメージを持つ人がいるならそれを塗り替えるような良いイメージの国(本来の太陽のイメージの国)を作るべきで、旗の問題じゃないと思うんです。
また、“japanese only” やヘイトスピーチは誰が何のためにやっているのか極めて怪しいので額面通りには受け取らないようにしています。
いや、もうこういったジョン、レノンじゃないけど人類皆兄弟的な話が
いかに机上の空論であるかは
昨今、日本人が痛感しはじめたことでしょ?
戦後日本ほどナショナリズムが希薄というか、
そういう教育を受けて育った国も他にどれほどあるのかな?
その結果がこの低たらく。
近隣に、おかしな言いがかりをつけてくる国
があるのなら、僕らはそれに対して
死にもの狂いで抗議しなければならない。
でなければ、嘘が真実として世界に広まって
いくよ。
うっちーさん、お久しぶりです。お話同感です。
3年以上前にこんな記事を書きました。『日本人は抗議するべき しなければ前例となって同じことが続く』
それはともかく、自分たちは外国の人から「日本のいいところ教えて」と言われたら10個でも20個でも言える人間でありたいなと思います。だって、日本っていいとこいっぱいあるんだから、それに気が付けないようでは日本人失格だなと。
もちろん、悪いところもあります。政治家や、作曲家や、東京電力や、マスコミが平気で嘘をついて人を騙す。それも恥ずかしながら日本の一部。だから手放しで日本最高とは言えないです。でも、どんなものにだってふたつの面があります。
日の丸は好きですが「国旗に向って敬礼しろ」と言われるようになったら日本は終わりだとは思います。自分の気持ちは自分で決めるもので、人から強制されるものではないので。
いまの日本はタイトルマッチのときに「国旗に向ってご起立お願いします」と言われても、パンフレット読んだり、ビール飲んだり、スマホいじったりして立たない人もいますが、だからといって誰も怒ったりしません。このゆるさがいいところじゃないでしょうか。ここは軍事国家じゃないし、北朝鮮でもなくて、民主主義の日本だから。いろんな人がいてこそ民主国家です。ウソつきは別ですけどねー。