Boxing
2014年4月20日(日)ベルギー ウェスト=フランデレン州
WBCライト級タイトルマッチ
王者 エリカ・ファリアス(アルゼンチン)
VS
挑戦者 デルフィン・ペルソーン(ベルギー/WIBF、WIBA、WBFed3団体統一王者)
WBCライト級といえばライカ選手との二度に渡る死闘で知られるアン・マリー・サクラート選手(アメリカ)のイメージが強いのですが、実はサクラート選手はこのベルトを2回返上して3回獲得するという珍しい経歴の持ち主で、防衛はなんと1回しかしていません。
そんなサクラート選手の2回目の防衛を阻止して新王者になったのがエリカ・ファリアス選手。サクラート選手とは違ってこのベルトを律儀に守り続けて今回で9回目の防衛戦になります。
挑戦者は昨年12月に3団体統一王者となったデルフィン・ペルソーン選手(ベルギー)。「次はWBC王者に挑戦したい」というペルソーン選手の声を聞いてWBCチャンピオンのファリアス選手のほうからわざわざ敵地に乗り込んでの決戦です。
リングに登場しただけでブーイング、ちょっとダーティーなことをすればますます大きなブーイングという完全アウェイの試合を受けたファリアス選手はすごい度胸。デビュー以来19戦無敗の彼女にとって、今回は記念すべき20戦目のメモリアルマッチでもありますね。
王者同士の対戦ではありますが、この試合にはファリアス選手のWBCのベルトだけがかけられ、ペルソーン選手の3本のベルトはかけられなかったようです。ちょっと不公平なようですが、ペルソーン選手が負ければ3本のベルトはたぶん剥奪ですから、リスクとしてはおなじでしょう。
さて、ビデオを見てまず思うのはけっこうふたりの身長差が大きいということ。また、ペルソーン選手のパワーがすごいですね。
試合は、ワイルドなものになることが予測されていたとはいえ、このところインサイドの駆け引きや技巧的な面も見せていたファリアス選手が初期のころのような豪腕一本やりの乱暴なボクシングに戻ってしまっていたのが残念。
それだけペルソーン選手の圧力が強くてファリアス選手側に余裕が無かったのだろうと思いますが、離れたところからビッグスイングを繰り出し、近付けばクリンチというラッキー頼みの戦法は途中で修正出来なかったでしょうか。
しかし、予想されたKO決着こそ無かったとはいえ、一発当たればどうなるか分からないというボクシング本来のスリルを感じさせる一戦だったことは確かです。
4団体統一王者となったペルソーン選手が次に狙うものはなんでしょうか?そして、ついに初黒星を喫した手負いの雌豹ファリアス選手の進路は?
WBCライト級タイトルマッチ
×王者 エリカ・ファリアス(アルゼンチン)
判定 3-0
○挑戦者 デルフィン・ペルソーン(ベルギー)
デルフィン・ペルソーン選手の判定勝利
(93-96、92-96、92-96)
(ファリアス選手はバッティングで減点2、ペルソーン選手はホールディングで減点1)
両選手の戦績は以下のようになります。
エリカ・ファリアス(アルゼンチン)20戦19勝1敗9KO
デルフィン・ペルソーン(ベルギー)30戦29勝1敗13KO
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