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ペッチージャー(ペットジージャ) VS 小林愛三 試合経過 ムエタイオープン34 ムエタイ女子

 Muay Thai

2016年2月7日(日)東京 新宿FACE
Muay Thai Open34

50kg契約 ムエタイ 2分5R
ペッチージャー(ペットジージャ)・オー・ミークン(タイ)
VS
小林愛三 こばやしまなぞう(NEXT LEVEL 渋谷)

ペッチージャー(ペットジージャ) VS 小林愛三
 ムエタイファン期待の星ペッチージャー選手の初来日は小林愛三選手との対戦でした。

 このカードが発表された時、体重差が大きすぎることと、小林選手がデビュー2戦目でプロ経験が浅いこと、そして、ムエタイオープンさんの採点基準がよく分からないことが不安材料でしたが、実際、心配した通りの試合となりました。


 というのも「女子で実力が見合う相手がいなくて男子と戦う少女ムエタイ戦士」として紹介されるペッチージャー選手も、女子相手には無敵かというとそうではなく、50kgオーバーの相手には負けるため、タイでは45kg程度の相手と戦うようになっているのですが、今回の契約体重は50kgでペッチージャー選手には明らかに重過ぎ。

 また、重い相手でも、要所で技術戦を仕掛けて来るようなベテラン相手なら、それなりに見せ場も作れたかもしれませんが、デビュー直後の新人選手にはそのような期待は無理と言うもので、ひたすら前進ファイトになることも予想がつきました。

 結局、両選手にとってもお客さんにとってもあんまり良い試合ではなかったと思います。誰が良いとか悪いではなく、このカード自体が間違いなのです。

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 第1ラウンド 小林選手はパンチとローキックで攻め込みます。

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 これに対してペッチージャー選手は慌てるそぶりも見せずにハイキックで応戦。

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 小林選手は前進を続けてコーナーにまで押し込みますが、ペッチージャー選手はヒザ蹴りで対抗。

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 ここで小林選手はいきなりのヒジ打ち。タイではなにかの因縁のある試合以外で初回からヒジの角を使うことはめったにないのですが・・・

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 突然のヒジは命中せず、続いての蹴りもサッとかわしたペッチージャー選手はパンチで反撃。

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 しかし、体格差を利してパンチで前進する小林選手にロープぎわまで押されるペッチージャー選手。

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 ここでヒジ打ちの連打を繰り出す小林選手。ペッチージャー選手は一瞬驚いたような顔を見せますが、すぐに右腕で顔面をカバー。そしてお返しのヒジ打ちを1、2発ふるいますが、それ以上はヒジは使いません。ここで感情的にならないのがさすがは大器。

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 押されながらも、一瞬でも距離が出来れば蹴り技を見せるペッチージャー選手。

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 リング中央でお互いにヒザの応酬。小林選手が横からまわして当てるヒザ蹴りなのに対して、ペッチージャー選手は距離とタイミングを調整しながらキッチリ膝頭を突き立ててワザの違いを見せます。

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 直線的に距離を詰めようとする小林選手をプッシュキックで吹き飛ばすペッチージャー選手。

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 さらにもう一度同じキック。体重は軽くてもしっかり蹴っているため有効な蹴りになっていますが・・・

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 それで大きな相手の前進を止めるには限界もあり、ロープに追い込まれていくペッチージャー選手。小林選手はパンチとローを出しながら、距離を潰してはヒジを立てて襲いかかります。右腕で顔面をカバーするペッチージャー選手。

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 ロープやコーナーに追い込まれているのは事実ですが、スキを見てはしっかりヒザを当てているペッチージャー選手。

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 この回は後半の蹴りでペッチージャー選手の優勢。

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 ラウンド終盤、確実な蹴り技をいくつも見せたペッチージャー選手は・・・

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 ポーカーフェイスの彼女にしては珍しく厳しい表情で相手を見据えます。この日の小林選手の戦い方は、ケンカファイトに思えたのでしょう。

 しかし、ラウンド終了のゴングとともに笑顔で礼をする小林選手に悪意がないことは一瞬で分かったようで、こんな表情を見せたのもこのときだけ。

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 第2ラウンド パンチ連打にミドルキックを織り交ぜて前進する小林選手。

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 接近戦ではペッチージャー選手はヒジを警戒して片腕をカバーに使うため、いつものようなしっかりした組みが出来ません

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 それでも瞬間のワザで素晴らしい崩し。ここまでコントロールすればリングに叩き付けなくても確実にポイントになるはず。

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 小林選手の執拗な前進はしだいに実を結び、パンチで相手の顔をのけぞらせるようになりますが、

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 勢いよく投げ捨てられてビッグポイントを献上(のはず)。タイ式の採点では依然としてペッチージャー選手優勢に見えますが・・・

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 突き刺す前蹴り、そしてミドルが確実に命中。

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 小林選手も蹴りを見せますが、ここは腕とヒザでがっちりブロック。実力差は明らかです。

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 ロープに押し付ける小林選手にヒザ。片足立ちになったところを投げ捨てるペッチージャー選手。

 この回もムエタイ視点ではペッチージャー選手の優勢のはずですが、ムエタイオープンさんの過去の例を見る限り、判定方式はタイ式というより、パンチで前進する系選手に高ポイントが入ったりするのでまったく読めません。

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 第3ラウンド 小林選手がパンチ押し継続。

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 ガチガチ当たり始めるパンチがペッチージャー選手の顔をハネ上げます。

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 パンチ、ローキックとヒジで押しまくる小林選手。ローはあまりいい形ではないものの体重差があるので効果はあるはず。この回は小林選手優勢。

 ここまでの試合全体の途中経過はアナウンスによれば小林選手優勢とのこと。1~2ラウンドのペッチージャー選手の蹴りや投げはまったく評価されていないようです。ということは、ここから先、同じようにペッチージャー選手が蹴っても投げても勝ちはないわけで、勝負はすでに付いてしまいました。

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 第4ラウンド 試合の後半から小林選手はもう高い蹴りはほとんど出さず、パンチ、ロー、ヒジだけの前進ファイト。

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 相手のミドルをつかんでパンチを当てる場面も繰り返されます。体格差があるのでやりやすいでしょう。

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 押され続けるペッチージャー選手でしたが、両腕でガッチリ組めたチャンスを逃さずリング中央で投げ。

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 タイならビッグポイントですけどね。

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 第5ラウンド いよいよ最後の2分間です。

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 ラウンド前半には、ローキックとヒザで押し込む小林選手を崩して倒すペッチージャー選手でしたが、

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 後半にはパンチとヒジで押し込まれ続けて試合終了。

ペッチージャー VS 小林愛三
 判定はマジョリティーで小林愛三選手の勝利。

 今回の感想は、以前ペッチージャー選手が重い選手に負けたときにも書いたことと同じですが「今回勝ったら今後はもっとひどいマッチメークをされるから負けてよかった」です。

 それともうひとつ。ペッチージャー選手が怪我しなくて良かったということです。

 プロとは言っても14才なんですから、大人との重いダメージが残るようなマッチメークは常識的に考えて有り得ないでしょう。

 あれだけの体格差で、最初から最後までヒジ出されたらマトモな試合にはならないし、ふつうなら怪我してますよ。いくらディフェンス能力高くても怪我するときはしますからね。

 こういうカードしか組めないなら、もうペッチージャー選手が大人になるまで来日は無しにするべきだと思います。

 ヒドイ試合でした。

50kg契約 ムエタイ 2分5R
×ペッチージャー(ペットジージャ)・オー・ミークン(タイ)
判定 0-2
○小林愛三 こばやしまなぞう(NEXT LEVEL 渋谷)
小林愛三選手の判定勝利

7th February 2016 at “Shinjuku Face” in Tokyo
50kg Manazou Kobayashi won over PhetJeeJaa by decision

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コメント

  1. 通りすがり より:

    ペッチーチャー選手かわいそうでしたね。。
    計量では何キロだったのでしょうね??

  2. queens of the ring より:

    >通りすがりさん 何キロだったんでしょうね…。
    去年の春には37キロ、夏には38キロだったはずですけど。
    階級制のスポーツだということを忘れちゃだめですよね。

  3. 次元 より:

    どういうつもりであんなにヒジ振り回すかな?
    何回級もハンデもらっておきながら
    相手を血まみれにしたかったんか? わからーん。

  4. queens of the ring より:

    >次元さん とくに意味はないと思いますよ。

  5. tomato より:

    ペッチージャー選手の冷静さがすごかったです。適正体重での試合が見てみたいです。

  6. queens of the ring より:

    >tomatoさん そうですよー。あの会場にいたすべての人のなかで一番冷静だったのが彼女だと思います。
    人として見習いたいと思います。ほんとに。

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