Boxing
中国 河北省秦皇島(しんのうとう)オリンピックスポーツセンター
第7回 AIBA世界女子ボクシング選手権大会
オリンピック予選も兼ねているということでいつもにもまして注目度の高い今回の世界女子ボクシング選手権、いよいよ全階級のベスト4が出そろいあとは18日におこなわれる準決勝を待つばかり。
この大会には世界各国から合わせて300人の女子ボクサーが集まっているわけですが、その中でもロンドンオリンピックをアマチュア活動の目標としてきた選手の一部は、オリンピックが終わったあとプロに転向することが予想されます。
というわけで、ベスト4に進出した選手を中心に、今大会とオリンピックの注目選手をチェックしてみましょう。
48kg級 – – – – – – – – – –
シュー・シキ(中国)
VS
ナジム・キザイベイ(カザフスタン)
ジョシー・ギャブコ(フィリピン)
VS
スベトラーナ・グネヴァノヴァ(ロシア)
軽量級は、もともと中国や、北朝鮮、あるいはカザフスタンなどのアジアの国が強いのですが、今回は将来オリンピックで活躍するだろうと期待されているアメリカのアレックス・ラブ選手が48kg級に挑戦していました。しかし、結果は二回戦でカザフのキザイベイ選手にRSCで敗北。軽量級のアジアの壁は厚いようです。二回戦で和田まどか選手を破ったグネヴァノヴァ選手(ロシア)は準決勝に進出。
51kg級 – – – – – – – – – –
レン・ツァンツァン(中国)
VS
カロリーナ・ミカルチェク(ポーランド)
エレーナ・サヴェリエワ(ロシア)
VS
ニコラ・アダムス(イングランド)
オリンピック階級である51kg級にはもともとその上下の階級にいた強豪選手がオリンピック出場を目指して階級変更して参加したため、非常な激戦区となりました。
もともとこの階級のトップ選手であるレン・ツァンツァン選手(中国)が順当に勝ち残り、上の階級から降りてきたポーランドのミカルチェク選手と準決勝で対戦の予定。
同じく上の階級から降りてきたサヴェリエワ選手(ロシア)はライバルのキム・ヘソン選手(北朝鮮)を破って準決勝進出。
イングランドのアダムス選手はインドのメアリー・コム選手をポイントで圧倒してベスト4進出。48kg級で絶対的な強さを発揮していた女王メアリー・コム選手も上の階級では苦杯を喫することとなりました。
54kg級 – – – – – – – – – –
クリスティーナ・クルーズ(アメリカ)
VS
テリー・ゴーディーニ(イタリア)
リゥ・クジェン(中国)
VS
アレクサンドラ・クレショワ(ロシア)
54kg級はトップ選手が51kg級に移動したため、以前とはかなり顔ぶれが変わっているようです。藤野ちなせ選手に一回戦でRSC勝利したアレクサンドラ・クレショワ選手(ロシア)が勝ち残っています。
57kg級 – – – – – – – – – –
ティアラ・ブラウン(アメリカ)
VS
スヴェトラーナ・スタネヴァ(ブルガリア)
リサ・ホワイトサイド(イングランド)
VS
サンドラ・クルク(ポーランド)
57kg級は二回戦で好川菜々選手に勝ったホワイトサイド選手が強さを見せて準決勝進出。
60kg級 – – – – – – – – – –
ケイティー・テイラー(アイルランド)
VS
マフツナ・ショリエヴァ(タジキスタン)
ソフィア・オチガワ(ロシア)
VS
ナターシャ・ジョナス(イングランド)
60kg級はオリンピック女子ボクシングの中心選手と見られているケイティー・テイラー選手(アイルランド)が順当に勝ち残り。次の試合ではタジキスタンの強豪コリエヴァ選手と当たります。
二回戦で釘宮智子選手に勝利したムエタイ世界王者のアントニーナ・シェフチェンコ選手(キルギスタン)はコリエヴァ選手にRSCで敗れました。
ロシアのキャプテンを務める実力者ソフィア・オチガワ選手は中国の強豪ドン・チェン選手をくだしてベスト4進出。
この階級で活躍が期待されていたアメリカのクイーン・アンダーウッド選手は三回戦でノルウェーのイングリッド・イグナー選手に僅差のポイントで敗れる波乱。そして勝ったイグナー選手も次の試合でジョナス選手(イングランド)の前に敗退しています。
64kg級 – – – – – – – – – –
マグダレーナ・ステルマック(ポーランド)
VS
ダリア・アブラモワ(ロシア)
パク・ギョンオク(北朝鮮)
VS
ミカエラ・メイヤー(アメリカ)
64kg級ではスウェーデンのクララ・スヴェンソン選手を破ったダリア・アブラモワ選手(ロシア)が目につきます。北朝鮮のパク・ギョンオク選手も順当に勝っています。
69kg級 – – – – – – – – – –
マリシェール・デ・ヨンク(オランダ)
VS
マリーア・バドゥリナ(ウクライナ)
ラクウェル・ミラー(アメリカ)
VS
イリーナ・ポテイワ(ロシア)
69kg級も75kg級にトップ選手が移動してしまって顔ぶれが変わりました。もとからこの階級にいるデ・ヨンク選手(オランダ)にとっては優勝のチャンスでしょう。
75kg級 – – – – – – – – – –
アンナ・ローレル(スウェーデン)
VS
エレーナ・ヴィストロポワ(アゼルバイジャン)
サヴァンナ・マーシャル(イングランド)
VS
ナジェジダ・トロポワ(ロシア)
しずちゃんが参加して注目を浴びた75kg級は波乱がたくさんあった階級でもあります。まず、カナダのトップボクサー、メアリー・スペンサー選手が二回戦でアンナ・ローレル選手(スウェーデン)に敗退。三回戦で山崎静代選手(しずちゃん)に勝利したアンドレア・シュトロマイヤー選手(ドイツ)もローレル選手に判定負け。
スペンサー選手とともにこの階級のトップだったリー・ジンズー選手(中国)は下の階級から上げてきたサヴァンナ・マーシャル選手(イングランド)に敗れました。また、アメリカが大きな期待を寄せていたクラレッサ・シールズ選手もマーシャル選手に大差で敗れています。シールズ選手はボクシングを初めてから一度も負けた経験が無いという17才の天才少女で、オリンピック出場確実と言われていましたが、二回戦で姿を消しました。
81kg級 – – – – – – – – – –
ユエン・メイチン(中国)
VS
スヴェトラーナ・コソワ(ロシア)
フランション・クルーズ(アメリカ)
VS
ティメア・ナジ(ハンガリー)
81kg級ではフランション・クルーズ選手(アメリカ)が勝ち上がっています。フランション・クルーズ選手は歌と作曲の才能があり、「歌うハードパンチャー」「戦うディーヴァ」と呼ばれる異色の存在。
81kg超級 – – – – – – – – – –
リ・ユンフェイ(中国)
VS
イリーナ・シネツカヤ(ロシア)
ユルダス・ママツクロワ(カザフスタン)
VS
カヴィタ(インド)
81kg超級は参加選手が8人しかいないので、一回戦に勝っただけでベスト4ということになりますが、たった四試合しかなかった一回戦のうち、まともにおこなわれたのは二試合だけで、あとの二試合は棄権と反則でした。女子のヘビー級はプロでも人材が乏しいのですが、アマでも事情は同じようですね。
オリンピックのボクシング女子には各階級12人の参加枠がありますが、この大会で決定されるのはそのうち8人だけ。あとの4人(3階級合計12人)はこれまでの戦績や実力を考慮して決定されることになっています。
今回すでに敗北している選手にもまだ可能性は残っているわけですが、どのような選考がおこなわれるのかはまったく予想が出来ません。この大会の結果とともに、オリンピックの選考も非常に気になりますね。
関連記事 世界女子ボクシング選手権 和田まどか、山崎静代 結果 競技5日め
関連記事 しずちゃん逆転TKOで勝利 世界女子ボクシング選手権 好川菜々 釘宮智子 結果 競技4日め
関連記事 世界女子ボクシング選手権 競技3日め 箕輪綾子、藤野ちなせ、和田まどか 結果
関連記事 箕輪綾子、釘宮智子両選手 一回戦突破 AIBA世界女子ボクシング選手権大会 ボクシング女子
関連記事 好川菜々一回戦突破 AIBA世界女子ボクシング選手権大会 ボクシング女子
関連記事 ムエタイ最強姉妹 アントニーナ & ヴァレンティナ・シェフチェンコ ムエタイ女子
コメント
メアリー・コム選手やアントニーナ・シェフチェンコ選手でも勝ち抜けないなんて世界は広いわ