いつもご愛読ありがとうございます。当ブログ『クイーン・オブ・ザ・リング』は一般の格闘技ファンであるわたしたちが、ふだん感じていること、思っていることをもとに、業界目線ではなく、関係者目線でもなく、単なるファン目線で立ち技格闘技についていろいろ書いているページです。
ご存知のとおり、当ブログの更新状況は不安定で、先の見通しも立たないありさまですので、いまのうちに書くべきことは書いておこうということで、この『100の大事なことがら』というシリーズをはじめます。業界のひとや関係者さんでは書きにくいこと、書けないこと、しかし、ファンにとっては大事なことを書いていきますので、どうぞ、しばらくお付き合いください。
第2回の今回は『「美人」と言われて得した選手はいない』です。
当ブログは基本的に女子選手しか載せない立ち技女子専門でやっていますが、「美人」を売り物にしたことは一度もありません。
だって、格闘技ブログですからね。
格闘技で美人を売り物にしてプラスになることなんかひとっつも無いんですよ。まったく。全然。
そこのところが分かってないのか、分かろうとしないのか、つぎつぎと『美人』を売り物にしたい関係者さんがあらわれ、うまく行かずに消えていく繰り返しが、この業界の問題なんです。
格闘技を売りたいのか、芸能界やアイドル業界のマネをしたいのか、それをキチンと考えたことがない関係者さんがあまりにも多い・・・。
芸能人やアイドルとはどういうお仕事なのでしょうか?それはテレビ番組やCMなどに出てギャラを稼いだり、CDやグッズを売ることです。そのためには絶えず話題を提供して、ワイドショーや週刊誌や芸能ニュースなんかで名前と顔を知ってもらうことが大事です。
美人だの、美少女だの、セクシーだの、キュートだのと言われて知名度が上がり、注目の検索キーワードに名前が入ったり、好感度が上がったりすれば、広告会社の企画会議で次期CMタレントの候補になったり、テレビ局方面からオファーが来たりということになるのです。芸能人やアイドルはそれが仕事です。名前や顔そのものが商品なんです。
しかし、格闘技選手の売り物は、まず第一に試合のチケット。美少女高校生ファイターだの、美人すぎる格闘家だの、戦う美人社長だのとネットに書かれて話題になっても、それがチケットの売れ行きにつながらなければ1円にもなりません。
一般的に、『美人』が見たい人はリンクをクリックして写真が見られればそれで満足してしまいます。数千円のオカネを払ってまで試合を見たいとは思いません。
だから、美人格闘家なんてアオリはチケットの売り上げにはつながりません。
格闘技のチケットを買うのは、結局は格闘技ファンなんです。
それではなぜ格闘技専門のサイトや格闘技ライターさんたちは、チケットの売り上げにつながらないのに『美人格闘家』と書きたがるのでしょうか?
それはアクセスです。サイトの運営者やライターさんはアクセスが欲しいですからね。それは書きますよ、美人であってもなくても、とりあえずのアクセスアップに大事なキーワードの『美人』は欠かせないですから。記事の流れに関係無くても『17歳のタイの美少女が組んでくると』とか無理矢理にでも書きますよ(笑)。それが仕事ですから。
さて、では、業界のひとたちのいろんな都合によって『美人』と書かれたファイターのほうにはどんな影響があるのでしょうか?
これはね、あんまり良いことはないんです。
まず、『美人』と書かれて本当に美人の選手なんてほとんどいないでしょう。そうすると、リンクをたどって美人を見にきた人たちは「なんだよ~」となるわけです。その結果、その記事は当然信用を失いますが、可哀想なことには美人と書かれた選手自身までなんだか信用出来ない印象になるわけです。自分で書いた記事でもないのに。
また、本当に美人だった場合は、今度は格闘技ファンからのリアクションがあまりよろしくありません。「ルックスだけのでっち上げ選手でしょう」「美人で売り出されるのにロクなのがいない」というわけです。何度も何度も外見だけの『美人格闘家』を見せられている格闘技ファンは、もう美人を信用しなくなっています。
それで損な役回りになったのがRENA選手です。彼女はGirls S-cupで大いに名を上げましたが、一般のシュートボクシングファンでGirls S-cupのほうまで見ている人は少数だったため、Girls S-cupで好成績を上げた後に後楽園ホールに凱旋したときも一般のシュートボクシングファンの反応はあまり良くはありませんでした。
さらに不運なことに、怪我や不調が重なってRENA選手は後楽園ホールであまり良い結果が出せなかったこともあり、会場人気はいつまでたってもイマイチのまま。テレビやメディアでRENA選手ブームが起こっているときも、それに逆らうかのように、会場での人気は高橋藍選手や神村エリカ選手のほうがずっと大きかったのです。
やっと最近ですよ、RENA選手への声援がエースにふさわしい大きさになってきたのは。それでも彼女の実力から見ての会場人気はまだまだ足りないくらいです。美人を応援することへの抵抗感は格闘技ファンの間ではかなり大きなものなのです。
というわけで、女子格闘技にとって『美人』はあんまり都合の良いキーワードではありません。しかし、プロ格闘技はスポーツ芸術であるとともに、大衆娯楽であり、エンターテイメントでもありますから、話題作りは必要ですし、一般のひとの興味を引く窓口はいつも大きく開けておかなければなりません。
そのためにここ最近では高野人母美選手が大変良くやっていると思います。彼女のキャッチフレーズはスーパーモデルですが、いわゆる『美人枠』をはみ出して、実際に彼女が計量などのときに見せるパフォーマンスは、体当たりのお笑い芸人みたいなものですし、ここまでぶっちゃけたアピールをするひとは今までいませんでしたね。海外では計量時にボディペインティングで登場する人もいますが、高野選手はそれ以上の面白さです。本当にプロだと思います。
というわけで、なんとかのなんとか覚えのようにいつもいつも美人を連呼するのではなくて、もうちょっといろいろ知恵をしぼりましょう。本当に格闘技を良くしたいならば。
とりあえず、女子格闘技にとって美人はNGワードですよ!
コメント
一番理想なのは「誰が見ても美人で極めて強い選手」が出現する事なんですが、なかなかそうはいかないでしょう。
格闘技における女子の存在意義にもかかわる難しい話なので簡単に答えは出ないでしょうね。
パワフルな戦いを見たければ男子の試合を見ればいい訳ですし…
ただ、これを言うと女性差別になるかもしれませんが、一般に女子の格闘技は「美人選手が顔に傷がつくかもしれないのに戦っている」のを怖い物見たさで見てみるというようなものではないでしょうか?ですから、強い選手はリング外ではお洒落に気をつかってほしいですね。見た目に気を配る暇があるなら練習すべきという風潮は私は大嫌いです。
高野人母美選手は本当によく頑張ってますよ。いろいろな批判ややっかみがあるはずですが、それでも自分の道を貫く姿勢は素晴らしいと思いますね。高野選手はタレント活動をしながらボクシングを続けている事に意義があると思います。せっかく他人より目立てる環境にあるのだから、プロならばそれをどんどん利用するのは当然の事ですからね
女子格闘技の世界に美人と美人ではないけど悪役の2つのタイプのスターがいれば、チケットの代金を払って試合を観たいタイプでは美人ではないけど悪役のタイプの選手の試合を観たいというようにしか聞こえないように思われます。
しかし、この定義はクイーン・オブ・ザ・リングさんの一般論でしかないように思われます。美人の選手が出れば、この選手を見て恋をする男性だっているはずだ。そういえ考えのファンが増えれば、チケットを買ってまでして美人選手の試合を観てくれるというファンは増えてきて人気も出るのではないのでしょうか。そういう考えが浸透すれば、美人選手の中には恋愛や結婚へと発展するドラマだってありそうな気がしますね。美人はNGワードではありませんよ。美人選手にとっては、格闘技のリングは花嫁へのリングになる可能性だってありえるのでは?
>まささん コメントありがとうございます。
>見た目に気を配る暇があるなら練習すべきという風潮は私は大嫌いです。 同感ですね。
ヘッドギア付けるから髪を伸ばせないという言い訳も好きじゃありません。
ショートが好きならそれでいいですけど、伸ばしたいなら伸ばすべきです。
前にも書きましたが、髪の毛の手入れが大変なのはサッカー選手だって同じですからね。
高野選手はプロですよね。度胸もありますよ。やっかみ買ってやろうじゃないかぐらいの勢いを感じます。
え?と思うぐらいの強い相手と試合決まりましたし、あとはお手並み拝見です。ガンバレ高野人母美。
>若鷹さん コメントありがとうございます、
でも、悪役がどうのなんて、ひとことも書いてないし、そんな意図の文章ではありませんよ。
美人不要論でもありません。
美人美人と騒ぐとマイナスにしかならないという話です。
恋愛とか花嫁とかは 知ったこっちゃないです。