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幻の 高野人母美 VS ジョアン・アムバロン戦 と これからの高野選手の話

 Boxing

BRAWL AT THE MALL
 1月21日に高野人母美選手がフィリピンで予定していたOPBF東洋太平洋バンタム級女子シルバー王座決定戦は、JBCさんからのフィリピンボクシング界へのクレームによって中止に追い込まれ、当日は高野選手はジョアン・アムバロン選手(フィリピン)と公式戦ではなくて、エキシビションマッチ(模擬試合)をおこなったそうです。

 JBCさんがこのような行動(JBCを離れて海外で活動しようとする選手への干渉)をすることは実は簡単に予想できることでした。彼らはいつもそのようにして来たからです。


 いまから10年前の2008年、日本でのボクサーライセンスを失った辰吉丈一郎選手はタイで第2のボクサー人生をリスタートしようと、現地で再デビュー戦をおこないました(ここではその事実だけを話題にしています)。

 このときのJBCさんの怒りはハンパではなく、JBCさんはこの試合を取り仕切ったタイのプロモーターさんに「断固とした処置をおこなう」と発表しました。具体的には、今後、そのプロモーターさんが日本に送り込んでくるタイ人選手をJBCさんは全員招聘(しょうへい)禁止にする、つまり、来日させないというものでした。

 これがその当時の新聞記事です。https://www.nikkansports.com/battle/news/p-bt-tp0-20081028-423493.html「来日するタイ人選手の約7割が、同ジム所属選手」と書いてありますが、一つのジムにそんなに選手がいるはずもなく、このジムが日本にタイ人選手を送り込むためのブローカーの窓口であることがわかります。

 この記事のあとも辰吉選手の試合は組まれましたが、2戦目以降タイ側は全面的にJBCさんに屈服、謝罪して、以降、辰吉選手のタイでの試合は不可能となったようです。

 今回の試合に関して高野選手側は「OPBFシルバー王座」はJBC非公認(実際、塙英理加選手などが同王座を獲得していますが、JBCの公式資料には記載されていません)なので、何も問題は無いものと考えたようですが、関係なくても口を出してくるのが彼らなんです。

 辰吉選手のタイでの活動に口を出した時、JBCさんは「日本のライセンスを持たない選手が、海外で事故を起こしてボクシング=危険とのイメージを持たれると困る」とその理由を説明しましたが、JBC体制になってからいままで国内外では日本人ライセンスボクサーの関係する事故は無数に起こっており、すでに数十人が亡くなっています。

 「危険とのイメージを持たれると困る」なんて言っている場合じゃなくて実際危険だし、そんなことは誰でもすでに分かっていることです。ボクシングは危険です。JBCさんのライセンスがあってもたくさん事故ってます。関係無いんですよね、ライセンスがあるか無いかなんて。

 高野選手だってついこの間までは日本のライセンスを持っていて、日本女子王座戦を戦っていたんですから、そのひとの試合がライセンスがなくなったからといって、急に以前よりも危険になったりするわけがありません。

 それではどうして試合禁止なのか?それは安全上の理由ではありません。日本人なのに日本のジムに所属せず、日本のコミッションにライセンス料を払ってないひとが活躍すると、日本のジムやコミッションが「損をする」と考えているからです。

 要するに、日本のジムにカネ払え、JBCにカネ払え、ということです。

 QRは高野選手が協栄ジムさんをラインでの「辞めます」のたったひとことで離れた(金平会長のツイートによれば)と聞いたときに、これはもうダメだな、と思いました。

 日本ではあるジムを辞めても、他のジムに所属しないと試合はできませんし、円満な辞め方じゃない場合は、選手引退後にトレーナーやマネージャー、ジムオーナーなどの仕事もさせてもらえません。ボクシング番組のゲストに呼ばれるのも難しいと思います。

 つまり、今後、高野選手がどのような形であれ、日本ではボクシングの実績でおいしい思いをすることは出来ないわけで、もったいない事やっちゃったなあ、と思いました。

 しかし、わたしたちが思ったよりも高野選手の日本ボクシング界からの離脱はスケールが大きく、拠点を完全にアメリカに移し、まったく帰ってこないつもりであるようです。

 今回はたまたまフィリピンでの復帰戦の予定がJBCさんの横やりによって潰されてしまったわけですが、おそらくはタイでもダメでしょう。その他のアジア圏でも同じような事がおこなわれるでしょう。ですから、今後はJBCさんを遠く離れた、欧米圏で戦うしかないでしょう。

 過去にそのような活動をした日本人女性プロボクサーもいて、かなりいいところまで行ったのですが、そこから先は「ボクシングビジネスの壁」に阻まれて、残念ながら大きな花が咲く事はありませんでした。簡単なチャレンジではないんですね。

 しかし、誕生後数十年を経過した日本のプロボクシングのシステムは、残念ながら老化しすぎて新しい時代についていけません。変化する事も出来ません。もうダメなんです。ここを離れていったあなたこそがおそらくは正解。

 いささか時を無駄にしすぎた気もしますが、女性アスリートにとってはここから先がもう一段大きく伸びる成長の時期。まだ行けます。夢は続きます。だから、がんばれ、高野人母美選手。

 わたしたちファンの気持ちは、彼女が挑戦を続ける限りは離れる事はありません。高野人母美の武勇伝はまだ始まったばかり!

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