Boxing
2018年5月28日(月)東京 後楽園ホール
DANGAN オール4回戦
第5試合 ミニマム級 4回戦
伊藤悠子 いとうゆうこ(RK蒲田)赤コーナー
VS
髙橋怜奈 たかはしれな(ワタナベ)青コーナー
赤コーナーはこれがデビュー戦となる伊藤悠子選手。コールを受ける彼女に笑みはなく、緊張感が漂います。
青コーナーは2戦めの高橋怜奈選手。「世界初の女医ボクサー」として各種メディアの取材を受けているためか、カメラの前でも余裕の表情です。
アマチュアボクシングが盛んな国なら何人か女医ボクサーもいるとは思いますが、プロボクサーでは聞いたことが無いので高橋選手が世界初の「女医プロボクサー」というのならそれは本当かもしれません。
キックボクシングではドクトル・クリスティーネ・タイス選手という女医で医学博士のプロの世界チャンピオンが有名ですが、2013年にリングを降り、いまは選手の育成をしています。
モデル、女優、アイドル、なんとかリーグ出身などという肩書きで人目を引こうという女子ボクサーはたくさんいますが、それって全然ボクサーとしての期待値にはつながらないですよね。
女医もそれと同じでボクシングファン的には無意味な肩書きなのですが、自分自身と女子ボクシングを世間に売り出すために有効なら大いに利用すべきだと思います。
中にはインチキくさい肩書きの人もいて(苦笑)そういうのには嫌悪感しかありませんが、高橋選手は本物の女医さんなので倫理的な問題もありませんから、ガンガン宣伝すればいいと思います。
昨年12月のデビュー戦を判定で落としている高橋選手は、第1ラウンドから積極的に出ます。
前進戦法といえば、吉田実代選手が小関有希選手や高野人母美選手といった難敵を破るために駆使した戦い方で、むかしからケンカや陸上部隊の交戦ではツボにはまれば絶大な威力を発揮することで知られる古典的兵法のひとつ。とにかくなにがなんでも死ぬ気で前進する稽古を極める武道もあるほどで、決して軽視できない戦法です。
前進戦法の成功には、直接的なプレッシャーで相手の理性を崩すことが大前提で、今回のようにデビュー戦の選手が相手の場合は功を奏するかと思われましたが・・・
伊藤悠子選手は非常に冷静。あわてるそぶりもなくストレートを飛ばしてきます。
伊藤選手は下がり続けながらも冷静な反撃を継続。ボクシングは下がっても減点されず、前進しても加点されない競技なので、戦略的なバックステップはいくら使ってもかまいません。
高橋選手の前進戦法は伊藤選手の反撃の前に、イマイチ効果が出ないわけですが、その理由は伊藤選手の沈着冷静な心、そして、高橋選手の踏み込みとパンチのタイミングがうまく連動してないこと、と思えます。
前進戦法を成功させた吉田実代選手は、振り抜きと踏み込みが絶妙に噛み合っていましたけど、高橋選手はそのあたりが甘いのかもしれません。
右目の下が有効打を受けて大きく腫れ上がった高橋選手は、第3ラウンドにドクターチェックでダメージの確認。ドクターがドクターチェックを受けてしまいます。
けれども、髙橋怜奈選手はなおも勝利への情熱を燃やしながら、伊藤悠子選手に突撃。
最後まで前進するその闘争心はあっぱれでした。
第5試合 ミニマム級 4回戦
○伊藤悠子 いとうゆうこ(RK蒲田)
判定 3-0
×髙橋怜奈 たかはしれな(ワタナベ)
伊藤悠子選手の判定勝利
(39-38、40-37、40-36)
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伊藤悠子 いとうゆうこ(RK蒲田ボクシングファミリー)1戦1勝(うちタイ人0)
髙橋怜奈 たかはしれな(ワタナベ)2戦2敗
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