Boxing
2009年7月7日後楽園ホール、入り口で渡されたパンフ(対戦表)を見てビックリ、ポスターではヤン・ユーインと書いてあった部分が楊瑩に変更になってます
二、三ヶ月前からヤン・ユーイン選手の名前の表記が各方面で混乱していたので、おかしいなとは思っていたのですが、まさか、タイトル戦で入れ代わるとは…。
客席に着くとさらに衝撃的
計量失敗
対戦相手変更については、ヤン・ユーイン選手がアマに戻るためにプロのランキングから外れ、同級同順位にスライドでランクインしたヤン・イン選手が代打出場、という説明になっているようです。でも、これで納得出来る人はいないでしょう。
中国の選手が、アマに戻るのでプロのランキングから外れるということが、実際にあるのでしょうか?プロがアマの試合に出ても問題にならない国はたくさんあります。とりわけ、中国のようなプロ環境の貧弱な国で、アマの試合に出るためにプロ資格返上の必要があるのでしょうか。ちょっと考えられません(前WBA王者チャン・シャン選手が、オリンピック出場専念のためにプロをしばらく休む宣言をしていますが、ヤン・ユーイン選手も?)。
しかも、そのヤン・ユーイン選手がいなくなったところに、ヤン・イン選手がスライドでランクインというのがあまりにも奇妙。そんなに実力が近い選手なら、前からふたり揃ってランクインしてるはずです。変な話ですね。
相手は、女子サッカーの公式試合で、チーム丸ごと別人に入れ替わるようなことがある国です。これもそのたぐいなんじゃないでしょうか?ハッキリ言って、OPBFさんや、宮田ジムさんがだまされたんじゃないでしょうか?
OPBFの順位表の名前が実はここのところ混乱してたんです。春まではYang Yu-Yingという選手がランクに入っていました。ヤン・ユーイン選手ですね。去年、水谷選手と戦ったあの選手です。
ところが、5月のランキングからはYang Yu-Yingという名前が消えて、Yang Yingとなっていたのです。これが、ヤン・ユーイン選手がランクから外れてヤン・イン選手がランクインした時期だとすると、ヤン・ユーイン選手がアマに戻る意志を固めたのは4月頃ということになります。
ところが、ヤン・ユーイン選手は4月に水谷選手と一緒に記者会見に出て、OPBFタイトル戦をやると宣言しました。しかも、そのタイトル戦は5月下旬の予定でした。
ですから、4月にも5月にも、ヤン・ユーイン選手にはプロでやっていくという積極的な意志があったはずです。
しかも、OPBF上位ランカーじゃなければ東洋王座決定戦に出る資格は無いので、このときのランク表にあったYang Yingという名前はヤン・ユーイン選手に間違いないでしょう(選手の名前の微妙な間違いはよくあることです)。
みなさんご存知のように5月26日の上海での試合は流れて、その代わりの試合として、今回の試合は組まれました。
ですから、宮田ジムさんは上海で予定されていたヤン・ユーイン選手にオファーをしました。大会のポスターにもヤン・ユーイン選手の名前が印刷され、そのように発表されました。
しかし、後日「ヤン・ユーインはもういない、同じ階級の同じ順位で同じ年齢のヤン・インならいるけど、それでどう?」「・・・それでいいです」といいうことになったわけです(注:会話は想像っす)。そして、OPBFさんもそれを認可したわけです。
ヤン・ユーイン選手に何があったんでしょう。中国政府からオリンピック強化選手として有利な条件で引き抜きがあったのでしょうか?そうでも考えないとプロのチャンピオンベルトを目前にして、アマ宣言なんてあまりにも不自然。あるいはプロモーター関係のトラブル?
ボクサーの名前なんて、結局はリング・ネームですから、誰だってレイーラ・アリとか、レイ・ラ・アリとか名乗ろうと思えば可能です。全然違う名前の人が、ヤン・インと名乗るぐらいは平気でしょう。
ブルース・リー先生のパチもんの、ブルース・リィさんやブルース・リさんを思い出してしまいました(苦笑)。
いや、真面目な話、本当のところはわかりません。ヤン・インさんが本名かもしれません。でも、バッタもんだろー、臨時のリングネームだろー、と素直に思ってしまうほど、どうでもいいようなボクシングでした。
ヤン選手は、階級をひとつ越えるほどの計量オーバーで試合をして、しかもKO負け。次回OPBFランクでの圏外追放は確定でしょう。
今回のまとめ
1.タイトルマッチでの対戦者変更が安易。不可解。
2.上記のアナウンスが不十分で不親切。
(宮田ジム、日本ボクシング協会のサイトに告知がありません。東日本ボクシング協会はヤン・ユーインが来るという情報を6月下旬に流しています)
3.計量失敗でタイトルマッチが無くなったことが場外に掲示されていません。
4.実質、別階級の対戦なのに減点無し、グローブハンデ無しで、しかも公式戦扱いという不可解。
5.いつからヤン・ユーイン選手とヤン・イン選手が入れ替わったのか判然としない不明確なOPBFランキング。しかも、ランクにふさわしくないほどの実力不足、無気力ぶり。
今回の事件は、去年のスタートから一年を過ぎて、まだまだ軌道に乗れない日本女子ボクシング界に、強烈なダメージを残したと思います。
最後にひとこと。自分にはなんにも落ち度が無いのにタイトルのチャンスを奪われ、それでも、気持ちのこもったファイトをして、試合後も終始笑顔を見せていた水谷智佳選手は本当に立派。プロです。水谷選手に、次の機会が早く訪れますように。
コメント
7/7のタイトルマッチに出場する楊選手は『過去に水谷選手と対戦した楊選手とは同姓同名の別人』ということ、試合前から知っていました。JBC事務局長か宮田ジム関係者かは忘れましたが、スポーツ紙にその旨の発言掲載されましたから。
それ以降の「知らん振り」具合については『女子ボクなんてたいして注目されてないんだから、都合の悪いことは説明しなくたってスルーされるからOK』的な考え方で、あえて告知しなかったとも考えられますね。
スポーツ紙に出てたんですか?知りませんでした。
なんか、対戦相手が違うかもとは聞いてたんですよ。BOXRECでもYang Yingってなってたし。でも、まさかって思ってました。タイトルマッチでそんなに簡単に相手が代わったり、しかも説明も無いなんてありえないでしょ。
なんか馬鹿馬鹿しくなってきました。
楊選手の計量オーバーにより、試合がノンタイトル6回戦に変更の告知はJBCのHPで前日計量の結果報告とともに7月7日の午前中にはアップされてました。
当日、会場入口で変更を告知しないのはなんとも不親切ですね。
>7/7のタイトルマッチに出場する楊選手は『過去に水谷選手と対戦した楊選手とは同姓同名の別人』ということ、試合前から知っていました。
自分は地方在住ですが、その話は専門誌(多分ボクマガ)に載っていたので知っていました。
>ところが、ヤン・ユーイン選手は4月に水谷選手と一緒に記者会見に出て、OPBFタイトル戦をやると宣言しました。
その記事では、その4月の会見後、元所属のアマチュアだか散打のチームの猛抗議と当局の鶴の一声で国際式プロボクシング活動を、停止せざるを得なくなったので、どっちにしろ五月下旬の内藤選手の上海興行が行われてもヤン・ユーイン選手は出場はできなかったと書かれていました。
>タイトルマッチでそんなに簡単に相手が代わったり、しかも説明も無いなんてありえないでしょ。
いや男子ですら、亀田選手の偽装メキシコ人疑惑の例や先月の韓国の男子OPBF戦で挑戦者が替え玉であることが発覚して、OPBFタイトルマッチ承認が取り消されてノンタイトル戦になった例が今でもあるくらいなので…。
ただ、ヤン・ユーイン選手と楊瑩選手のランキング入れ替えについては、現OPBF本部も兼ねているJBCに非があることは確かですね。
楊瑩選手は、ユーイン選手とは明らかに別人なことは前回のランキング発表時には分かっていたことなので、たとえタイトルマッチのためのランクインであってもSフェザー級最下位にランクされるべきでした。
いくら中国のボクシングが未熟で情報が少ないとはいえ、これはJBCと宮田ジムが責任を負ってしかるべきだと思います。
Tさま コメントありがとうございます。
バイナ・ロンド選手が計量失格で石川範子選手との試合が流れた時は、昼間にネットをチェックして気がつきましたが、今回はネットを見れなくて、全然知りませんでした(今回は、前売り券を買っていたので、どっちにしろ行ったのですけど)。
でも、平日の昼間にネットを見れない人のほうが多いですよね。
daininoshuさま コメントとフォローありがとうございます。
ボクマガさんに載ってましたか。気がつきませんでした。こんどからはもっときちんと立ち読みします。
> その記事では、その4月の会見後、元所属のアマチュアだか散打のチームの猛抗議と当局の鶴の一声で国際式プロボクシング活動を、停止せざるを得なくなったので、どっちにしろ五月下旬の内藤選手の上海興行が行われてもヤン・ユーイン選手は出場はできなかったと書かれていました。
そうなんですか。変な話ですね。宮田ジムさんは、今回も「上海で戦う予定だったヤン・ユーイン」で6月に発表してますよね。宮田ジムさんが「ヤン・ユーインはもういない」と気がついたのはいつなんでしょう。
> ただ、ヤン・ユーイン選手と楊瑩選手のランキング入れ替えについては、現OPBF本部も兼ねているJBCに非があることは確かですね。
> 楊瑩選手は、ユーイン選手とは明らかに別人なことは前回のランキング発表時には分かっていたことなので、たとえタイトルマッチのためのランクインであってもSフェザー級最下位にランクされるべきでした。
> いくら中国のボクシングが未熟で情報が少ないとはいえ、これはJBCと宮田ジムが責任を負ってしかるべきだと思います。
同感です。身元のよく分からない選手をランキング操作まがいまでして呼んでも、結局は対戦予定の選手が可哀想なことになってしまいました。
去年水谷と2、1だった中国人を見たくて最後までつきあったけど
あれ、という感じ。ここを見て替え玉だったとわかった。
コガワだけ見て帰ればよかった。
>実質、別階級の対戦なのに減点無し、グローブハンデ無しで、しかも公式戦扱いという不可解。
↑キックのルールをボクシングに当てはめるな!なんだよグローブハンデって。ルールブック読め!嘘ばかり垂れ流して。
>実質、別階級の対戦なのに減点無し、グローブハンデ無しで、しかも公式戦扱いという不可解。
↑キックのルールをボクシングに当てはめるな!なんだよグローブハンデって。ルールブック読め!嘘ばかり垂れ流して。
書き方が悪くて誤解を招いたことをお詫びします。申し訳ありません。
計量失敗の場合、ボクシングでは現実の体重に合わせて「契約体重制」にするか、それが出来なければ試合そのものが中止です。
契約体重制といっても、普通は両者の体重差が数百グラム程度です。
計量時の両者の体重にあまりにも差があって、階級制の概念に対立するような場合は、安全面の配慮からコミッションが認可しないことになっています。
この日は水谷選手スーパーフェザー級に対して、ヤン選手はひとつ上のライト級を飛び越えてスーパーライト級でした。契約体重制でも無理な体重差です。
会場ではこの件に関して「タイトルマッチは中止です。6回戦をいたします。」という場内アナウンスがあったのみ。契約体重にはふれられなかったので試合は認められなくてエキシビションになったものと思いました。
減点スタートかグローブハンデというのは、採点有りのエキシビションとして書いています。
最後に公式戦だとわかって非常に驚きました。しかも、スーパーフェザー級扱いのようです。
ボクマガはなにも書いてないよ。試合スケジュールもヤンユーインになってる。
>キックのルールをボクシングに当てはめるな!なんだよグローブハンデって。
ボクシングにもグローブハンデの規定はある。しかし超過体重だから契約体重になるはず。あまりにもへんだぞ、この試合。