Boxing
2010年9月13日(月) 後楽園ホール
ザ・カンムリワシ・ファイト Vol.36
OPBF東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ 10回戦
王者 山口直子(白井・具志堅)赤
VS
挑戦者 ペットサイルーン・ルークサイゴンディン(タイ)青
日本最強のKOマシーン山口直子選手に果敢に挑むペットサイルーン選手
挑戦者のペットサイルーン選手は、プロデビュー以来1勝しかしていないようです。しかも、直近の試合は負け続き。それなのに、今月発表のOPBFランキングで初登場し、スーパーフライ級3位になっています。そして、それとほとんど同時にタイトル挑戦が決定。
ぶっちゃけ、タイトルに挑戦させることが決まってからランキングが決まっているようなものです。なんといういい加減なランキング、そしてタイトルマッチ認定でしょうか。
しかし、このランキングはペットサイルーン選手が作ったものでもなければ、タイのボクシング関係者が作ったものでもありません。現在のOPBF本部は日本にあり、このランキングは日本人のボクシング関係者が作っているものです。
選手は真面目にやってるのに運営はコレですから、ボクシング人気がどんどん下がるのも当然なわけです。
しかも、これまで20人前後が来日しているタイ人女子ボクサーはほんの2、3人の例外を別にすればほとんどが無気力な「倒れ屋」で、まともな試合は希有。このカードにはいい試合になる期待感などこれっぽっちもなかったのです。
しかし、ペットサイルーン選手はボクサーとしてのレベルは別として、少なくとも本物のファイターではありました。日本女子ボクシング界が誇る「倒し屋」山口直子選手に敢然と立ち向かい、試合を試合として成立させたのです。
1回 山口選手はジャブで相手の力量をうかがいます。ペットサイルーン選手は出てきますが、山口選手はスッと動いて当てさせません。
山口選手は上下に打ち分けるコンビネーション。まだ軽く流しているような感じ。
ラスト30秒はかなりキツいパンチで攻めます。しかし、ペットサイルーン選手は平然とした表情。なかなかハートがあります。
2回 30秒ほどが経過したその時、攻めてくるペットサイルーン選手の動き出しに合わせて前進した山口選手はすれ違いざまに右の高速カウンター。ペットサイルーン選手はストンとその場にダウン。キレ味抜群のパンチにどよめきが起こります。
リスタート後も力まないで軽いフットワークからジャブを打つ山口選手。
コーナーに詰まったペットサイルーン選手はもう駄目かと思われましたが、サイドステップで巧みに脱出。
しかし、山口選手のコンビネーションに対応出来ず右ストレートをもらってこの試合2度目のダウン。
リスタート直後、王者は挑戦者をニュートラルコーナーにはりつけにして右ストレートでとどめ。
レフリーのストップと同時に挑戦者はダウン。完璧なKO劇でした。
OPBF東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ 10回戦
○王者 山口直子(白井・具志堅)
TKO 3回1分10秒
×挑戦者 ペットサイルーン・ルークサイゴンディン(タイ)
山口直子選手のTKO勝利。
(ペットサイルーン選手は2回と3回にダウン1)
以上の結果により両選手の戦績は次のようになります。
OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者
山口直子 やまぐちなおこ 19戦14勝2敗3分12KO
ペットサイルーン・ルークサイゴンディン(タイ)9戦1勝8敗
(戦績はJBC認定以前からの通算です)
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