海外遠征６度　世界挑戦４度　ガッツと技術で記憶に残る名ボクサー　上村里子選手　追悼

　Boxing

　アルファジム所属の上村里子選手が亡くなりました。

　突然の訃報に言葉もありませんが、わたしたちはファイター上村里子選手のファンとして、リング上で眩しいほどにエネルギーを放っていた彼女の姿をここにご紹介し、上村選手への追悼といたします。

　上村里子選手は２０才でキックボクサーとしてデビュー。順調に勝ち星を重ね、全勝のまま中沢夏美選手と対戦します。しかし、１９９６年当時、女子最強の呼び声の高かった不動館三人娘の一角、中沢選手にはついに初黒星。再戦でも敗れますが、決して一方的な試合ではなく善戦と言えるものでした。中沢選手とあそこまで戦える選手は何人もいません。特に、上村選手のシャープなローキックは印象的でした。

　足の怪我のためキックを引退した上村選手はボクシングに転向。６度の海外遠征、そのうち４度は世界戦という大きな舞台を踏みます。

　しかし、その相手には北朝鮮のチェ・ユンスン選手や韓国のパク・ジヒョン選手など、間違いなく世界トップクラスの強豪がいたため白星を得ることは出来ませんでした。しかし、その勇気ある挑戦は大きく評価されるべきでしょう。

　また、ホ・ウニョン戦では相手の執拗なクリンチやホールディングが野放し状態でボクシングにならず、キム・ダンビ戦（韓国）では悪質な反則で腕を負傷させられるなど、アンフェアな事件も発生しましたが、レフリングとジャッジがまともならば負けるはずのない試合でした。　ホ・ウニョン戦の動画がある韓国のウェブサイトnewsk.com

　ここにご紹介している写真は、２００９年２月の対菊川未紀戦です。日本、いや世界でもトップクラスの菊川選手のテクニックに、技術戦で対抗出来る選手はほとんど存在しませんが、上村選手は正面から堂々と渡り合いました。

　そして、この試合は判定負けを喫したものの、９ヶ月後には菊川選手のホーム名古屋で再戦し、見事２－１で判定勝ちを奪います。

　ここからの写真は２００８年８月の対猪﨑かずみ戦です。１７２センチという規格外の長身を誇る実力者の猪﨑選手に、ストレートとアッパーで果敢に勝負を挑んだ一戦。上村選手も軽量級にあっては１６５センチの長身を有する選手で、その特徴を生かしたロングレンジの攻防は見応えのある戦いとなりました。

　上村里子選手、あなたの名前とその笑顔は、あなたの残した試合とともに永遠にわたしたちの胸にあります。いままでどうもありがとう。お疲れさまでした。安らかに眠ってください。

上村里子　かみむらさとこ（アルファ）

世界挑戦　４度
　２０１０年５月　ＩＦＢＡミニマム級　対パク・ジヒョン
　２０１０年１月　ＩＦＢＡミニフライ級　対キム・ダンビ
　２００８年６月　ＷＢＣ暫定ミニフライ級　対ホ・ウニョン
　２００６年５月　ＩＦＢＡミニフライ級　対ソン・チョロン

ボクシング戦績　１９戦６勝１３敗

キックボクシング戦績　６戦４勝２敗

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