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中国散打の猛威と限界 ヴァレンティーナ・シェフチェンコほか8人トーナメント 全試合結果&動画 KUNLUN FIGHT 9 キックボクシング女子

 KickBoxing

2014年8月31日(日)中国 河南省 商丘市
Kunlun Fight 9 “Legend of Mulan”

中国河南省でおこなわれた女子8人トーナメントのすべての結果をお伝えします。まず、一回戦の組み合わせは以上のとうりです。

K1ルール 60kg級8人トーナメント
一回戦 3分3R
シュエル(中国)
VS
イリーナ・マゼパ(ロシア)

ミカエラ・ミヒル(ドイツ)
VS
アレナ・ミュラトヴァ(ベラルーシ)

ヤンヤン(中国)
VS
フランシス・ワッタナヤ(カナダ)

エリーゼ・クアリーゼ(イタリア)
VS
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)

中国との回線の問題で快適に見れる人は少ないと思いますが、この大会の全体の動画をここに貼っておきます。男子や女子総合の試合も含まれますのでかなり長いですが、面白いトーナメントなので良好なネット環境をお持ちの方は是非ご覧になってください。

見やすい動画としてはヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手の各試合がアップされていますので個別に貼っておきます。

今回、中国がトップバッターとして送り出したのはシュエル選手。漢字で雪儿と書きます。歌手か女優さんのような可愛らしいリングネームですね。アイドル路線を意識しているのでしょうか。本名でリングにあがる女子選手の多い中国では珍しい存在です。

ニコニコと愛想良くリングインしましたが、相手はロシアを代表する強豪のひとりのイリーナ・マゼパ選手。シュエル選手は最初から圧倒され、第2ラウンドにばったりとリングに倒れ込む完全KOでトーナメントから姿を消しました。

ワールドムエタイエンジェルス決勝大会のワンマッチに出場し、タイ選手をKOに下したことが記憶に新しいドイツのミカエラ・ミヒル選手は、技術にまさるアレナ・ミュラトヴァ選手に押しまくられて苦しい序盤。後半は体力勝負に持ち込んでなんとか一回戦を突破します。

中国の二人目として出場したヤンヤン選手は最初のシュエル選手とはまったく反対に根っからの腕自慢という感じ。何も考えずに前進してはパンチを振り回すブルファイター。対戦相手のフランシス・ワッタナヤ選手は、ひとむかし前のムエタイ女子によく見られた “パンチは苦手でキックで勝負したい” 系の人でしたので、ヤンヤン選手の突撃散打ファイトにまったく対応出来ずに戦意喪失負け。

一回戦の最後はペルーの弾丸ファイターとしておなじみのヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手とイタリアの長身エリーゼ・クアリーゼ選手。K1ルールだということを知ってか知らずかいつものように首相撲を仕掛けるシェフチェンコ選手…

しかし、レフリーから再三の注意を受けて途中からはおとなしい順法ファイトに切り替えて無難に判定勝利。

K1ルール 60kg級8人トーナメント
一回戦 3分3R
×シュエル(中国)
KO 第2ラウンド
○イリーナ・マゼパ(ロシア)
イリーナ・マゼパ選手のKO勝利
(シュエル選手は第1ラウンド、第2ラウンドにそれぞれダウン1)

○ミカエラ・ミヒル(ドイツ)
判定
×アレナ・ミュラトヴァ(ベラルーシ)
ミカエラ・ミヒル選手の判定勝利

○ヤンヤン(中国)
TKO 第1ラウンド
×フランシス・ワッタナヤ(カナダ)
ヤンヤン選手のTKO勝利

×エリーゼ・クアリーゼ(イタリア)
判定
○ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手の判定勝利


準決勝に残ったのはロシア、ドイツ、中国、ペルーの4選手。

K1ルール 60kg級8人トーナメント
準決勝 3分3R
イリーナ・マゼパ(ロシア)
VS
ミカエラ・ミヒル(ドイツ)

ヤンヤン(中国)
VS
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)

準決勝、まず一組はイリーナ・マゼパ選手とミカエラ・ミヒル選手。マゼパ選手がそのテクニックを十分に見せて余裕の判定勝利。決勝にコマを進めます。

二組めは中国の暴れん坊ヤンヤン選手と世界一凶暴な女ヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手という危険なカード。

一回戦では無茶苦茶な暴風雨パンチで圧倒していたヤンヤン選手もシェフチェンコ選手のオーラのまえに慎重な構え。

試合が動いたのは第2ラウンド終盤。意を決して突撃するヤンヤン選手にカウンターのバックスピンキックをぶち込むシェフチェンコ選手。さらにはキックとパンチの高速コンボで追い込んでダウンを奪います。ヤンヤン選手は腹部を押さえて苦悶の表情。KOか?

しかし、サッと立ち上がって拳を挙げ「まだ出来る」とアピール。ところが、レフリーの試合再開の指示に従わずに勝手にコーナーに戻ってセコンドに水を飲ませてもらうヤンヤン選手。彼女はこの行為で減点1。

レフリーに従わない、試合中に許可なくセコンドに接触する、という行為は本来ならば失格負けになっても仕方がないくらいの重大な反則です。どうやら吹き飛んだマウスピースを口に戻すことが目的だったようですが、もしかしたら「このままKOされるよりも反則負けでいい」と思ったのかもしれませんね。その後もヤンヤン選手はシェフチェンコ選手のサイドキックでロープまで吹き飛ばされるなど散々な内容で敗退。

準決勝

○イリーナ・マゼパ(ロシア)
判定
×ミカエラ・ミヒル(ドイツ)
イリーナ・マゼパ選手の判定勝利

×ヤンヤン(中国)
判定
○ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手の判定勝利

シェフチェンコ選手は、散打の主武器であるサイドキックを大きく飛び退いてかわし、相手の突撃にはカウンターからのコンビネーションで圧倒するという素晴らしいファイトで貫禄の勝利でした。単なる乱暴者ではなく最高のスキルを持った彼女の一面が良くあらわれています。

ここでシェフチェンコ選手が見せてくれた『散打狩り』の手法は、ロシア系の男子選手も対中国戦で時おり見せてくれますが、まずフットワーク、そしてカウンター、たたみかけるコンビネーションの3つのスキルが必要であり、誰でも出来るわけではありませんが、散打攻略の大きなヒントだと思います。

K1ルール 60kg級8人トーナメント
決勝 3分3R

イリーナ・マゼパ(ロシア)
VS
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)

というわけで決勝はロシアのイリーナ・マゼパ選手といまはペルー国籍ながら元々はキルギスタン出身のシェフチェンコ選手、古い言葉でいえばソ連圏対決となりました。旧東側の選手のいいところはとにかく基礎からの技術がしっかりしていること。

この試合もスキルの競い合いになるかと思われましたが、シェフチェンコ選手の破壊力がたった1ラウンドで勝負を決めてしまいました。恐るべしペルーの弾丸ヴァレンティーナ・シェフチェンコ。

×イリーナ・マゼパ(ロシア)
KO 第1ラウンド
○ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(ペルー)
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手のKO勝利

中国はマゼパ選手とシェフチェンコ選手の二人に自国の選手を撃墜されてしまい、外国人どうしの決勝戦に客席は冷えていたようですが、これに懲りずに強い選手をまた呼んでほしいと思います。お客さんも格闘技ファンとして成長すれば「外国人でも、強い選手を見れるのは幸せ」であることに気が付きますよ。

KUNLUN FIGHT 8 women eliminator

Irina Mazepa(RU) vs Xuer (CHN)
Winner Irina Mazepa via 2nd round KO

Alena Muratova(BLR) vs Michaela Michl(Germany)
Winner Michaela Michl via decision

Frances Watthanaya(CA) vs Yang Yang(CHN)
Winner Yang Yang via 1st round TKO

Elise Qualizze(IT) vs Valentina Shevchenko(PER)
Winner Valentina Shevchenko via decision

semi final

Irina Mazepa(RU) vs Michaela Michl(GER)
Winner Irina Mazepa via decision

Yang Yang(CHN) vs Valentina Shevchenko(PER)
Winner Valentina Shevchenko via decision

final
Irina Mazepa(RU) vs Valentina Shevchenko(PER)
Winner Valentina Shevchenko via 1st round KO

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