観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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ローマ・ルックブンミー VS シルヴィー・フォン・デューグラス-イトゥー ノーカット動画 ムエタイ女子

 Muay Thai

2015年2月15日(日)タイ ナコーンラーチャシーマー

48kg級 2分5R
ローマ・ルックブンミー(タイ)赤
VS
シルヴィー・フォン・デューグラス-イトゥー(アメリカ)青

Loma Lookboonmee vs. Sylvie von Duuglas-Ittu

 日本では伊藤紗弥選手と昨年の夏に戦った相手として知られるシルヴィー・フォン・デューグラス-イトゥー選手(以下、イトゥー選手)と、今月のIFMAムエタイワールドカップで金メダルに輝いたローマ選手の今年2月の対戦のノーカット動画です。これは大変に興味深い試合です。

 ローマ選手はかつて来日したときに神村エリカ選手の左右のパンチに沈みはしたものの、キレ味鋭い投げでさんざんに神村選手を苦しめたことは、コアなムエタイファンなら皆さん覚えているでしょう。本当に技術のある、強い選手です。

 そして、イトゥー選手ですが、昨年、伊藤紗弥選手に勝つまでは、QRにとっては実はそれほど印象の強い選手ではありませんでした。

 というのも、タイで試合をしている欧米の女子ムエタイ選手はそれほど珍しくはなく、その多くは外国人であることを上手に利用して、自分よりも体の小さい選手や、キャリアの浅い選手との試合を組んでもらってイイ思いをしている真剣度の低い選手であり、失礼ながらイトゥー選手もそのような人かと思っていたからです。

 具体的にいえば、大した実力も無いのに世界タイトルマッチを組んでもらって、噛ませのタイ人相手に勝利してWBCムエタイ王者となったイギリスのデニス・キャッスル選手のようなお気軽外国人とイメージがかぶっていたのです。

 しかし、それはわたしたちの大間違いの思い込みで、イトゥー選手は本当に真面目で強い選手でした。

 イトゥー選手はタイの会場でも入場コール時に観客席から歓声が上がるほどに認知されている実力者で、しかもファラン(白人)ですから、タイトルマッチに名乗りを上げれば高確率で試合を組んでもらえそうなものですが、彼女はそんなことには見向きもしません。

 黙々とノンタイトル戦に出場し続け、しかも、そこではこのローマ選手や、同じくタイトップチーム所属でIFMAムエタイワールドカップでこちらも金メダルを獲得しているノンネーン選手などの強敵と当たり前のように対戦しているのです。

 また、彼女は試合のひとつひとつの資料性を大事にする人で、このように勝ち負けにかかわらずその動画をアップするのはもちろん、相手選手の正確な名前や試合会場や日時を確実に記録してファンに公開しています。

 勝っても相手の名前も書かず「勝ちました」で終わらせ、負けたら黙ってしまう人も多いこの業界で、勝っても負けても試合のデータを公開し続ける彼女は本当に貴重な存在です。

 もちろん、その実力もあなどれません。このローマ戦でも、投げの達人を相手にして負けたとはいえこの程度しか崩されていませんし、伊藤紗弥戦では、打撃で多少は押し込まれたものの終盤はキッチリと投げで勝っていました。

 伊藤紗弥選手は一時リトルタイガー戦を強く訴えていましたが、QRとしてはそれよりもこのイトゥー選手にリベンジするのが先決ではないかと思いますし、佐々木蝶里選手やリカ・トングライセーン選手などの若手も、その実力アップのために、イトゥー選手と対戦するのはいいことではないかと思います。

 白人とはいえ、体格的にはアジア人と変わらないイトゥー選手は、パワーやリーチの長さで押す欧米式ムエタイではなく、打撃と組み技のバランスが取れた正統派のムエタイを身につけているのも日本人選手のお手本として適格。どこかの団体がさりげなく呼んでくれるとうれしいのですが。

2015年2月15日(日)タイ ナコーンラーチャシーマー
48kg級 2分5R
○ローマ・ルックブンミー(タイ)赤
判定
×シルヴィー・フォン・デューグラス-イトゥー(アメリカ)青
ローマ選手の判定勝利

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