Boxing
2018年 10月27日(土) アメリカ ニューヨーク
WBO女子フェザー級世界王座決定戦 10回戦
ヘザー・ハーディー(アメリカ)赤
VS
シェリー・ヴィンセント(アメリカ)青
2年前にこのふたりは両者ともにプロ全勝のキャリアで、WBC女子フェザー級インターナショナル王座決定戦で対戦し、2-0でハーディー選手が勝利し、この対戦は2016年の女子最高試合として話題になりました。
しかし、試合後、判定に納得できないヴィンセント選手が「むこうのポイントにはルックス点が上乗せされている」と言ったらしく、激怒したハーディー選手のファンが「ヴィンセント選手はステロイドをやってる」とネットに書き込むなどで大騒動となりました。
その後も二人の対立は続き、昨年はハーディー選手のMMAの公開計量にヴィンセント選手が乱入して一方的に罵倒するハプニングもありました。
そんなわけでついにこの27日に因縁のリマッチが決定したわけですが、当初この試合は放送の予定がありませんでした。それを放送局のトップにハーディー選手が直接メールして説得に成功、放送カードにネジ込んだもの。ハーディー選手といえばハイレグの水着に黒ぶちメガネで計量するパフォーマンスで知られていますが、話題作りだけで無く営業手腕もなかなかのようです。
両選手ともにパンチ力よりは試合運びで見せるタイプのため、途中まではなかなかの接戦で僅差になるのかと思われましたが、後半戦はアッパーやワンツーのクリーンヒットでペースをつかんだハーデイー選手が明らかに優勢。試合はユナニマスで決着しました。
試合後のふたりの表情を見る限り、もう両者の間に憎しみは無いようですね。
本当はボクシングが一番好きだけど、かつて自分が70万円のファイトマネーだった時に、同じようなキャリアの男子が1400万円もらっているのを知ってボクシングに絶望したというハーディー選手。MMAのほうがまだ女子の扱いがマシだからという理由でMMAにも出ているわけですが、同じ境遇のアマンダ・セラノ選手の気持ちがよくわかるそうです。
このところ女子ボクシングの環境は明らかに向上してはいるのですが、アメリカでの男子ボクシングの人気が下降傾向にあるため、ボクシング全体としてはあんまり景気が良く無いのがツライところです。この日中継してくれたHBOボクシングも年内で打ち切りとか。
ここで女子の人気が爆発してボクシング復活となってくれれば最高なんですけど・・。
WBO女子フェザー級世界王座決定戦 10回戦
○ヘザー・ハーディー(アメリカ)赤
判定 3-0
×シェリー・ヴィンセント(アメリカ)青
ヘザー・ハーディー選手の判定勝利
(97-93、97-93、99-91)
ヘザー・ハーディー(アメリカ)23戦22勝4KO1無効試合
シェリー・ヴィンセント(アメリカ)25戦23勝2敗1KO
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コメント
HBOが放送した女子の試合としてはブレークフスに続いて2試合目だったみたいですね
しかしHBOは年内でボクシング打ち切りという事で、ブレークフスやハーディーの試合を今後放送してくれるテレビ局が有るのかが気がかりです(エキサイトマッチがこの試合を放送してくれるのかも気がかりですが多分やりませんよね)
>にさみねさん コメントありがとうございます。
ブレークフス選手に続いて2回目のようですね。
ハーディー選手本人は「わたしはHBOで世界チャンピオンになった最初の女」と言っているようですが、最初で最後になりそうで悲しいです。
エキサイトマッチの高柳さんは女子にも理解がありそうなんで頑張ってほしいところですが(そういう問題ではないでしょうけど)。