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風神ライカ vs ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック] WBCスーパーフェザー級挑戦者決定戦10回戦 詳細 ボクシング女子

 Boxing

2011年9月22日(木)後楽園ホール
To the Future ~未来へ~ vol.11

WBCスーパーフェザー級挑戦者決定戦10回戦
風神ライカ(竹原&畑山)
VS
ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック](カナダ)

風神ライカ選手
 日本の女子ボクシング界で世界のトップ選手と拳をまじえて来た数少ない歴戦の強者ライカ選手。この試合が30戦目となります。

ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック]選手
 対するはこの階級の初代王者だったジェリーナ・マジョナヴィッチ選手。

 この試合は、ふたりにとって4年ぶりのリマッチ。そして、勝った選手が現在のWBCスーパーフェザー級王者フリーダ・ウォルバーグ選手(スウェーデン)とタイトルマッチで戦う権利が得られるという非常に大事な一戦です。


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 第1ラウンド ボクシングのセオリーどおりにきちんとジャブを突いてくるマジョナヴィッチ選手に対し、ライカ選手はなかなか手を出しません。

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 マジョナヴィッチ選手はジャブからときおりフックをつないでポイントにします。

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 ライカ選手もフックを打ち返しますがこれを身を沈めてかわすマジョナヴィッチ選手。

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 第2ラウンド ライカ選手はこのラウンドから前がかりになって手数を増やします。しかし、ジャブを省略してのいきなりの右や距離を詰めてのフックはいずれもヒットせず。

 ライカ選手サイドは足を使ってアウトボクシングで逃げられることを警戒していたと思われますが、マジョナヴィッチ選手はフットワークよりも目の前でするりするりとボディーワークでかわすディフェンスを駆使。

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 終盤はジャブ→右アッパー→ワンツーという4連打でマジョナヴィッチ選手が優勢。

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 第3ラウンド 被弾覚悟でマジョナヴィッチ選手の目の前まで歩を進めたライカ選手が決然と打ちかかります。

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 するとマジョナヴィッチ選手もこれに応えて打ち返すという展開になり非常に見応えのあるラウンドに。どちらも3~4発のヒットを奪い合いまったくの互角です。

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 第4ラウンド この回はライカ選手がプレッシャーを効かせてマジョナヴィッチ選手を下がらせます。

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 ヒットは双方にありましたが主導権を握っていたのはライカ選手でしょう。

 ここで最初のオープンスコア。ジャッジの支持は2-0でマジョナヴィッチ選手。妥当なところだと思います。

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 第5ラウンド この回も引き続きライカ選手のラウンド。左を打ちながら低い姿勢で入り込むライカ選手。

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 左のヒットからチャンスを作ったライカ選手がゲームを支配し続け、終盤は左右のフックの連続ヒットなどでマジョナヴィッチ選手を追い込みます。ロープに詰めたところでゴング。

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 第6ラウンド このラウンドはなぜか鋭い追い足が影をひそめてしまったライカ選手。打ち合うほうに気持ちがいってしまったのでしょうか?一方、マジョナヴィッチ選手はパンチをボディーに集中する作戦に切り替えたようです。

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 ボディーの蓄積のあとは強いストレート。そして右アッパーカット。

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 終了間際には左右のフックを連続ヒットさせるなどでマジョナヴィッチ選手が優位を奪い返します(このラウンドの被弾でライカ選手は鼻の付近に裂傷)。

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 第7ラウンド スリリングな接近戦の攻防で始まったこのラウンドは、途中、マジョナヴィッチ選手のスリップと再開後に両者が同時に頭から出て行ったためのバッティングなどでゴタゴタになりかけます。

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 しかし、後半になると両者が中間距離でパワーパンチを交錯させる目のはなせない激しい攻防に。

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 流れの中で右アッパーを決めてみせるマジョナヴィッチ選手。このあと返しのフックも鮮やかにヒットさせた彼女はこのへんで距離を置こうとバックステップ… しかし、ライカ選手はこれを逃さずに右ストレートをヒットし、さらなる打ち合いに引き戻します。

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 終盤はマジョナヴィッチ選手が狙い打ってきた右アッパーを間一髪でかわしたライカ選手が見事な左フックで返り討ち。

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 そしてマジョナヴィッチ選手後退。ライカ選手が見せ場を作ったラウンドです。

 ここで2回目のオープンスコアはジャッジ全員がマジョナヴィッチ選手を支持。ポイントでは厳しくなったライカ選手。しかし、この展開ならまだまだ先は分かりません。

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 第8ラウンド 前に前に出続けるライカ選手ですが、ジャブの本数が少なくなってプレッシャーが弱まった感じ。これを察知したマジョナヴィッチ選手が逆にプレッシャーをかけ左右のフックを当てて優勢。

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 終盤にはマジョナヴィッチ選手が強烈な右で追撃。

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 しかしライカ選手もシャープな左フックで切り返して意地を見せます。

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 第9ラウンド ライカ選手は再びジャブを打ちはじめ、低い姿勢からショートレンジに入り込むスタイルに戻します。マジョナヴィッチ選手はクリンチあるいはフックで対応し大きな打ち合いにはなりません。

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 第10ラウンド いよいよ最終ラウンドです。

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 距離を詰めながらワンツーで攻撃するライカ選手を時には下がり、時にはアッパー、フックで応戦するマジョナヴィッチ選手。

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 双方が多少のヒットを奪い合いますが互角のラウンドだったでしょうか。

ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック]選手
 判定はユナニマスデシジョンでジェリーナ・マジョナヴィッチ選手の勝利。

 この結果によりジェリーナ・マジョナヴィッチ選手がWBCスーパーフェザー級の指名挑戦者に決定。現王者フリーダ・ウォルバーグ選手とあのグリーンとゴールドのベルトをめぐって対戦します。

マジョナヴィッチ選手
 マジョナヴィッチ選手が随所で見せたゲームコントロールにはさすがと思わせるものがありました。

 また、今回のリマッチでは双方の選手が前回の対戦からの成長のあとが著しく、女子ボクシングが進化していることを感じさせてくれました。

風神ライカ選手
 ライカ選手にとっては手痛い敗戦でしたが、内容的には評価出来るものだったと思います。ナイスファイトでしたね。

 一部では結果だけを見て「ライカは衰えた」などと言いたがる人もいるようですが、そういうことは試合を見ないで言ってはいけないことです。わたしたちは今回のライカ選手は衰えるどころか確実に強くなっていたと思います。それでもこういう結果なのは単純に相手が強いからです。

 この試合の結果についてメディアの報道はどこも一様に厳しい調子ですね。ニッカンさんはちゃんと「善戦」と書いていますが、大部分のメディアは内容も悪かったかのような書き方です。

 その一方で日本人が勝ったほかの3つのタイトル戦はどれも手放しでいい試合だったように書いています。これは「結果に沿って記事を作る」というメディアの古くからの体質のせいです。メディア批判とかそういうことではなくて、これは基礎知識として頭のどこかに置いておきたいものです。

WBCスーパーフェザー級挑戦者決定戦10回戦
×風神ライカ(竹原&畑山)
判定0-3
ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック](カナダ)
ジェリーナ・マジョナヴィッチ[ムルドジェノビック]選手がユナニマスデシジョンで勝利しました。

 この結果、両選手の戦績は以下のようになります。
風神ライカ(竹原&畑山)30戦22勝7敗1分9KO
ジェリーナ・マジョナヴィッチ(カナダ)34戦25勝8敗1分8KO

なお、この試合はスカイ・Aにて録画放送されます。放送予定は以下のとうりです。

<part.2>

10月2日(日)18:30~20:30
10月18日(火)24:15~26:15

この試合以外の放送予定

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コメント

  1. うっちー より:

    ライカとその陣営はちゃんと
    手順を踏んで世界へ挑戦しようと
    している。
    結果は出なかったが暫定だ、スーパーだ、
    新階級設立だ、
    と世界チャンピオン、バーゲンセール
    のこの時代に古典的で愚直に思えるほどだ。

    しかしその心意気やよし。
    もっと評価されるべきだ。

    もう、こうなったら最軽量級にわんさかいる
    日本の世界チャンピオンたちも
    タイやら韓国なんぞの、わけのわからん
    挑戦者と、ちまちま防衛戦を組んでいないで黒木優子も含めた
    女性版スーパー6トーナメントでも行って
    みたら?

  2. ガンバ より:

    ライカ選手にスピードが欲しかったが巧くなっていますよ。相手は前評判通りに強かった!本当のボクシングとして良い試合でした。

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